ブログ「石原明の経営のヒント」

資生堂のお正月の新聞広告に、びっくり!!

今年最初の話題はお正月の新聞広告についてです。みなさんは、資生堂の正月広告をご覧になったでしょうか?(写真参照) 私はこれをみてビックリ!!してしまいました。なんと日本で今、一番活躍している女優さんたちが12人、ドド~ンと並んでますよね。これが全面に掲載されていました。


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よく見ると前列には仲間由紀恵、小泉今日子、伊東美咲が並んでいますよね。この3人が一緒にいるというだけでもびっくりなのですが、その後列には上原多香子、観月ありさ、篠原涼子、そして蛯原友里……と、そうそうたる人気女優が一堂に集まっています。そこに「一瞬も 一生も 美しく」というキャッチコピー。
 
コピーはともかく、これだけの豪華キャストが一つの広告写真に収まるというのは、今までの常識ではちょっと考えられないことですよね。
 
それぞれが資生堂のブランドキャラクターということですが、私はこの広告に「強者の論理」を見ました。一体どういうことかというと、資生堂がこれだけの人を広告に起用しているということは、反対から見れば業界他社は一切、この女優さんたちを使えない。ということでもあります。つまり資生堂はこれだけのキャストを独り占めしているわけです。
 
特に、蛯原友里さん(エビちゃんと呼ばれています。マックのえびフィレオの宣伝に出ているモデルさんですね。彼女はCAN,CAN(キャンキャン)の看板モデルさんで、彼女が雑誌で着てる服は「あっ」という間に完売するそうです!)はまだあまり知られていませんが、今年もっともブレイクすると期待されている女性だそうです。今、旬の人気女優だけでなくブレイク前の女優さんまで押さえているところもすごいと思います。しかもそれをお正月の広告で大々的に見せつけているところにシビレました。 

強者は世の中のいいものをどんどん独占してしまいます。独占することで、2位以下をどんどん引き離し、圧倒的な一人勝ち状態に持っていくのです。
レアル・マドリードやジャイアンツがなぜ、あれほどいい選手を独占するのか?それは、もちろん選手の力を期待してのことではあるのですが、一方では彼らが自分のチームにいることが重要だからです。たとえ全員を起用できなくても、ライバルチームで活躍されるより、よっぽどいいからなんですね。独占すること自体が、リスク対策になるわけです。
 
資生堂は昨年「UNO」というブランドで、53人のお笑い芸人を起用したCMをしました。その時にも「え?」っと思ったのですが、今回の正月広告ではさらに強力になっていて感心しました。
 
これだけの広告ですから相当の資金がかかっているでしょう。強者だからこそ実現した企画だと思います。そういう意味で、強者であることの利点をちゃんと理解し、戦略に生かしている資生堂はさすが。これは勉強になると思いました。

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