逆転の発想で「優良顧客」を上手に集客
2006.02.16 22:00 written by ishihara カテゴリ:発想転換のツボ
そろそろ受験シーズンも終盤に近づいてきましたね。少子化の影響で、もうすぐ「大学全入時代」(つまり希望すれば必ずどこかの大学に入れるようになるってことです)が到来するそうです。
当然予備校生も激減する一方、予備校の経営も大変な状況になっているわけですが、そんな中、発想を逆転させることで、おもしろい経営をしている予備校があるのでご紹介しようと思います。
これ、どこの写真だと思いますか?・・・美術館じゃありませよ。
なんとこれは、予備校の大手の河合塾が昨年、東京の麹町に作った『医学部志望者専用校舎』の風景。自習室に通じる階段で、「智の階段」と呼ばれ、生徒たちはここに自由に腰をおろして、本を読んだり、歓談したりできるそうです。
少子化の中でも、医学部を志望する学生の数は意外と多く、経営的にみるとまさに「優良顧客」なわけです。生徒が減ってどうせ教室が余るのだったら、「無駄なスペース」を思いっきり贅沢なものにして、差別化を図ろうという作戦ですね。
教室数を減らし、各階の隅にはソファーとテーブルまで設置、さらに最上階には「医(いや)しのラウンジ」という、生徒が自由に息抜きのために使えるスペースまで用意したそうです。以前はこの規模の校舎に、今の4倍の生徒を詰め込んでいたというから、さらに驚きですよね(@_@)
お客さんの絶対数が減ってきた時、集客にかける経費を削減するのもひとつの選択ですが、まるっきり“逆”の発想をすることで、たくさんお金を払ってくれる「優良顧客」をつかむことができるという、とてもおもしろい事例です。