WBCに見るアメリカのエンターテインメント放送のあり方
2006.03.26 09:25 written by ishihara カテゴリ:発想転換のツボ
先日のWBCの決勝戦、ご覧になりましたか?王ジャパン世界一決定の瞬間には、胸が熱くなりましたが、コンサルタントという職業柄か、物事を色々な方向から見るくせがついてしまっているようで、先日の試合を見ていても、単なるスポーツ観戦にとどまらず、感じるところが多くありました。
私が感心したのは、「アメリカのエンターテインメントスポーツ放送のあり方」です。
日本の放映の仕方とはかなり違い、プレーだけでなく、その後のベンチ内の風景まで映し出すあたり、アメリカのスポーツ放送特有の雰囲気はさすが!です(*^^)v
例えば、決勝戦で6回にショートを守っていた、ソフトバンクの川崎選手が、エラーを連続してしまった場面。
日本であれば、エラーをしたVTRだけが放送されそうですが、今回のESPNの国際映像では、エラーを連続した川崎選手が、最終的に自分のミスを何とか”ゲッツー”と言う形で処理した後にベンチに戻り、セカンドを守っていた西岡選手と励ましあうシーンや、王監督から叱咤激励を受ける場面までを逃さずにカメラに収めていたのです。
まるでWWE(アメリカのプロレスメジャー団体)の放送のように、演出をしているような雰囲さえ感じました。これは、日本の放送とはかなり違い、演出好きのアメリカ人ならではの放送です。
それから、ピンチやチャンスが訪れるたびに、選手一人一人を映し出す演出も、とても面白いなぁと思いました。日本の放送だと、せいぜいピッチャーのアップが映し出されるくらいですが、ESPNの放送では各野手やベンチの動きまでカメラがおさえていましたからね。
日本のTVがカメラ据え置きの「静」の放送に対して、アメリカの放送はカメラワークを駆使した「動」の放送だという感じです。何でも、特殊カメラを地面に埋め込んで、映像を狙っているそうですよ(ーー;)
その他、イチロー選手へのインタビューの早さ!!も格別です。日本のマスコミがインタビューしようとした時には、すでにESPNのアナウンサーがイチローを包囲していたのです。
その雰囲気もあってか、興奮冷めやらぬイチローが饒舌にインタビューに受け答えしているあたり、タイミングを逃さないアメリカのTV局には脱帽です。
私も決勝戦は試合開始から最後まで目を離せませんでしたが、無意識にその演出に引き込まれていたのかもしれません(~o~)
それにしても、イチローの受け答えが、かなり演技がかって見えたのは私だけでしょうか??
うちの社員のHも、「古畑任三朗に出演して以来、イチローの受け答えには、俳優のにおいがぷんぷんします」なんて言ってました。イチローもあのドラマ出演ですっかり味を占めたのでしょうか(笑)
それはともかく、日本の場合は、とにかく選手ががんばっていい試合をすれば、野球人気が高まると思っているのに対して、アメリカのTV局には、見ている人に、野球の臨場感やおもしろさをなんとか伝えようとする努力と工夫を感じました。
会社の経営にも同じような部分があって、商品やサービスを楽しくお客様に伝えるのはもちろんのこと、「自分の会社をどう世間に印象づけるか」などと、ちょっとエンターテイメント的な観点から、発想してみるのもいいかもしれませんね(@^^)/~~~