ブログ「石原明の経営のヒント」

あのYouTubeを落とした日本のアニメ

前回は、情報を伝える手段が紙→Web→映像へと変化してきたことを踏まえ、マーケティングにも上手に映像を取り入れる準備をしましょうというお話をしました。技術の進歩で、こんなにも軽く簡単に映像が扱えるようになったという最高の事例として、「YouTube」というサイトを紹介しましたが、そのYouTubeのサーバーがある時突然落ちたという事件が発生したのです。

もう少し前の出来事ではありますが、一時は「サイバーテロか?」なんて噂まで広がったりして、結構な騒ぎになりました。ところが、その原因を辿ってみると、なんと日本のあるアニメであることが判明しました(@_@;)

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これはライトノベルで爆発的なヒットを飛ばしている『涼宮ハルヒの憂鬱(すずみやはるひのゆううつ)』という作品で、京都アニメーションという会社が作ったんですが、この1作目が出来たとき、かなりオタク寄りの作品ということもあって、メジャーのテレビ局では採用されず、放送を決めたのは、チバテレビなど地方局の深夜枠ばかりだったんですね。

1作目は高校の文化祭の自主制作みたいなレベルの作品だったみたいですが、実はそれは制作側のねらいで、「君たちにこのテイストがわかるかな?」みたいなメッセージが込められていたと思うのですが、残念ながらキー局の方たちにはわからなかったようです。

で、この作品がYouTubeにアップされたとたん、テレビで見られなかった地域のファンたちが一斉にアクセスし、結果サーバーを落としてしまったというわけなんです。

このアニメ、どこがそんなに受けているかといえば、ネット上で「アクセスはすごいことになってるけど、サイトを見るとわけがわからない!!」という噂が広がったこと。また、イメージで言うと、バック・トゥ・ザ・フューチャーみたいな要素があって、このシーンに出てきたなにげないモノが、後で謎解きのキーになる重要なアイテムだったりと、かなりオタクゴコロをくすぐるトリックがあるみたいですね(~o~)

情報化社会では、「わけがわからないけどすごい」みたいな情報だけが限りなく先行していき、それがある時点で『これなんだ!』とわかると、アクセスが集中し、一気に大ブレイクとなってしまうわけです!

今までで言えば、「こんなお店がオープンしますよ」というチラシなりCMなりをして、オープン初日に店に大行列ができたなんて現象と同じことではあるのですが、なんせネット界には、地理的な壁も時間の壁も存在しないわけですから、そのブレイクの仕方が相当派手なんです!(^^)!

YouTubeは世界中を相手にすることを前提に作られたサイトですから、サーバーも絶対落ちないように設計されているはずですが、それがこんな状態になってしまうことを考えると、今後意識的に「しかけ」をするときには、いったいどんなサーバーを用意すればいいのか・・ちょっと心配になったり(ーー;)

また、ファンの中には、主人公ハルヒがアニメの中でやっているゲームを、勝手に開発する人まで出てきたりしています。まさにオープンソースを地で行く展開ですね(*^^)v

今までは、企業がものすごい金額を投資して、商品開発していたものですが、ネットマーケティングの登場で、そのあたりにも、かなり新しい風が吹いているようです。

この続きは、また次回お話しま~す(@^^)/~~~

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