ブログ「石原明の経営のヒント」

鬼と人と -信長と光秀- (上・下巻)

読書をするにはちょうどいい陽気になったので、この時期ぜひみなさんに、もっとたくさんの良い本を読んでもらいたいと思っています。この本は少し前の本になりますが、『 トップとNO.2の違いが分かる珠玉の作品!』なので、まだ読んだことの無い方はぜひ読んでみてください。

といっても、この本はもう普通には入手困難だと思いますので、気になる方はすぐにアマゾンのユーズドとかで単行本を買っておかれたらと思います。

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堺屋 太一著 PHP文庫(上巻)

日本の出版事情もなかなかすごいもので、年間7万冊も出版されるわけですから、内容がいい本でも、うっかりするとすぐ絶版なんてことがよく起こるんです。この本もスッゴクいい本なのに「なんだ!絶版?!」みたいな扱いを受けそうなので、今回はちょっと緊急で紹介しました。

実は先日も、 「創造のちから」という本をあるところで紹介したんですが、その本を出版している会社から連絡が来て「先生またどちらかでこの本紹介していただいたんですか?」って言われたんです。なんでも急に注文が殺到したそうです(ーー;)

私はとっても本が好きなので、すばらしい本を書かれた方に対する敬意も強く感じているので、価値のある本はいろいろな所で紹介してその本が延命するように陰ながら努めています(*^^)v

また、私が定期的に配信しているメルマガの読者が40,000人くらいいたりと、少なからず人に影響を与える立場にある人間としては、価値のある書物が残る事に努める事は役割かとも思っていますので、こんなふうになるべく良いものは紹介していきたいと思っているわけです。(私のメルマガなどで紹介したことをきっかけに再販された本も少しはある様です)

で、今回のこの本の話になる訳ですが、この『鬼と人と』は私が中堅から大企業の幹部教育を頼まれた時によく課題図書とさせていただく本です。

理由は、単なる歴史書の粋を完全に超え、経営書としての価値が非常に高い本だからです。特に織田信長と明智光秀のやり取りからトップとNO.2の考え方の違いがこれほどはっきりと理解できる本はそうないと思います。

よく経営者がすべき決断について、右か左か分からないモノが最終的にトップの所にやって来るという話をします。この意味は、はっきり答えの分かるモノは部下が判断するのであって、例えばどっちをやっても上手く行きそうだけど我社として果たしてどっちを選択すべきかを決めなければならない・・・みたいな決断が、最終的には経営者の判断ということになるということです。

また、何かの動きの中で判断を下すなんてのは秀才ならば出来て当たり前なわけで、トップになるためには、まっさらな状況からどっちに行くか方向を決めなければならないわけですが、この違いをよくもまあこんなに分かりやすく書いたものだなぁ~と、読むほどに感心すると思います!(^^)!

ちなみに、なぜこの本がこんなにすばらしい内容になったのかというと、実は著者である堺屋さん(元官僚で大阪万博をまとめたことで有名)が、NO.2的な人だったからと私的には思うんですが、下巻の最後の光秀の叫んだ言葉がとにかく圧巻です。

秋の夜長に、ぜひ読んでみてください(@^^)/~~~

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