今やカレーは“白”??
2006.11.08 22:10 written by ishihara カテゴリ:経営のヒント
「白カレー」がカレーの定番ハウスバーモントカレーの売上を抜いた(@_@;)・・・なんて噂を耳にしました。ハウス食品が今年8月に全国発売した「北海道ホワイトカレー」の売上高は、10月12日現在で年間目標の5億円をすでに超え、10億円に届きそうな勢いだそうです。カレー界では「大ヒット」と呼べる数字です。
「白いカレー??」なんて聞くと、一瞬ギョッとしてしまいますが、その意外性はかなりインパクトがあり、ちょっと食べてみたい気持ちになりますよね(~o~) 白さの秘密はカレー粉の黄色の元となる香辛料「ターメリック」を使ってないから。ほかの香辛料で香りや辛さを出しているので、一見シチューのように見えても、味はきちんと「カレー」なんです。
カレーはもう、“国民食”と言っていいくらい、みんなに愛されている食べ物で、日本の文化にもしっかり根付いています。食品業界でも、シチューやカレーというのは保守的な商品で、「新製品が市場に受け入れられにくい」とされているようで、これといったヒット商品がなかなか生まれない土壌があるんです。
というのも、人は「初めて食べたカレー」を“スタンダード”と認知してしまうんですね。いわゆる“おふくろの味”みたいなものですが、一度好きなカレーの味が決まると、そのラインを大きく外すような冒険はなかなかしないものです。
余談になりますが、このことを良くわかっているメーカーは、学校給食用にカレールーをすご~く安く卸しているようです。「子供のうちから、自社の味を舌に覚えさせちゃおう!」っていう作戦ですね(*^^)v
そんな中で、“当たる”新商品を作るには、カレーの概念を変えてしまうような、相当大胆なチャレンジが必要だったのだろうと思います。
「北海道ホワイトカレー」は当初、北海道と西日本に限定して販売していたそうですが、好調を受けて8月からは全国に販売網を拡大、関東・東北地区では西日本より3倍ほどのペースで売れているといいます。メーカー側も正直こんなに当たるとは思ってなかったのではないでしょうか。
北海道というネーミングも良かったのかもしれませんが、こうした大胆なチャレンジをするには、『食べてみて本当に美味しい!』という、確固たる商品力が必要となります。“企画モノ”が根付くかどうかは、『本物』であることが大前提なわけです(*^^)v
そうした意味からも、この「ホワイトカレー」が日本人の食文化に根付くのかどうか、しばらく注目してみようと思います。
『外して勝つには実力が必要』ということがよくわかる事例だと思ったので、今回取り上げてみました。この事例を参考に、みなさんも商品開発力に磨きをかけてください(@^^)/~~~