ユニクロNY店オープンとそのブランド戦略
2006.11.29 18:27 written by ishihara カテゴリ:経営のヒント
今月10日、ファーストリテイリングが「ユニクロNY店」をオープンしました。NYブランドのダナキャランをはじめ、シャネル、プラダなど一流ブランド店が立ち並び、ニューヨークのカルチャー発信地であるSOHO(ソーホー)の一等地に、「UNIQLO soho NY店」が堂々オープンしたのです!(^^)!
その売り場面積はユニクロ史上最大の1,000坪。その大型店に、昨年新設したデザイン拠点が手がけた約1,000種類の商品を全面投入し、文字通り『グローバル旗艦店』として、世界市場への拠点とする覚悟で臨んでいるようです。
その覚悟のほどは、起用したクリエーター陣を見ただけでもわかります。日本発・世界標準のブランドの構築を試みるために、クリエイティブディレクションを担当したのは佐藤可士和。空間デザインに片山正道、WEBに中村勇吾など、それぞれの分野でのトップランナーが集結し、スペシャルチームを作り、本気でブランディングしたのです。まさに決死の覚悟といった様相ですね。
というのも、昨年9月から米国内で展開した3店舗の郊外店はいずれも客足が伸びず、いくら「競合店より品質が上」と訴えたところで、知名度が低くては見向きもされないという厳しい現実を目の当たりにしたのです(ーー;)
そんな失敗をバネに、柳井正社長兼会長は「ユニクロというブランドが何者であるかと知らなければ消費者は買わない」と言い切り、都市部に大型店を開いて「一気に知名度を上げる」戦略に転換したようです。
そのために、先ほど挙げたような国内外屈指のクリエーター軍団を投入し、アルファベットのロゴに加えて、「ユニクロ」とカタカナのロゴマークを採用。日本のブランドであることを印象付ける作戦に出ました。
店舗オープンまで、、「ユニクロ」のロゴマークを乗せたタクシーを走らせたり、NYを代表するアートディレクター、マーカス・キルシュテンを編集長にむかえ、トップクリエイターが集結したハイクオリティなフリーマガジン「ユニクロペーパー」を配布したりと、随分大規模なプロモーションも展開したようです。
その甲斐あってか、初日には開店前に300人もの行列ができるほどの人気ぶり。まるで日本人がGAPに飛びついたように、ニューヨーカーがユニクロのウェアを買い漁るシーンをテレビで見たときには、さすがの私もしばし唖然としてしまいました(@_@;)
ユニクロブランドは、本当にニューヨークで受け入れられるでしょうか・・・多くのアメリカ人がSonyをアメリカのブランドだと思っているように、「高品質かつスタイリッシュ」という路線を極めれば、真に日本発・世界標準ブランドの誕生となるかもしれません。
ユニクロNYの今後の展開に期待しつつ、しばし注目してみましょう(@^^)/~~~