ブログ「石原明の経営のヒント」

頭のよい子が育つ家

今年もあと20日あまりとなりましたが、年が明けると受験シーズン。受験生を抱えるご家庭では、盆も正月もないといった感じかもしれませんが、今、『頭がよくなる』を売りにした住宅販売やマンション建設が注目され始めているのをご存知でしょうか。

首都圏では加熱する一方の中学受験ですが、合格者の多くは、立派な勉強部屋ではなく、雑然としたリビングなど開放的な環境で学んでいたことが、調査の結果明らかになったようです!(^^)!

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これまで、受験対策と住環境の関係性を研究した会社はあまりなかったと思いますが、住宅コンサルティング会社の「エコスコーポレーション」では、慶応大学SFC研究所と共同研究を進め、首都圏の有名私立中学合格者の家庭約200軒を実際に訪問。約6年という歳月をかけて、その住環境を丁寧に調べ上げたそうです。

受験勉強と言えば、「静かな個室でするもの」というイメージがありますが、そんな固定観念はこの調査で完璧に打ち崩され、難関校に合格した子供ほど、テレビが置かれた居間や食堂の雑然とした雰囲気の中で勉強する傾向があったそうです。何事もきちんと調べてみないとわからないものですね。

現在、さいたま新都心駅近くでは、この調査結果を活かしたマンションが建設中だそうですし、同社とコンサルティング契約を結ぶ行田市の大野建設が『頭のよい子が育つ家』という名前の住宅販売を開始しました。

子供部屋には扉を作らず、間仕切りにはガラスや障子を使い、わざと隣合う部屋のざわめきが聞こえるようにした上で、家族間のコミュニケーションを大切にするために個室は極力減らし、文字や絵が自由に書ける伝言板代わりの大きなガラス板を置くなど、随所に工夫を凝らしたようです。

それぞれの住宅事情に合わせた施工が可能で、坪単価は55万円前後と相場より1割ほど高いそうですが、モデルルームオープン以来、約400組が来場し、すでに十数件の引き合いがあったとか。幼児や小学生を持つ、30代から40代の親たちからの問い合わせも相次いでいるそうです。

これは「賢くなる家」というコンセプトと情報を伝える切り口の勝利だと思います(*^^)v

もちろん、この家に住んだからといって、必ず希望の学校に合格するというわけもなく、一番大切なのは「良好な親子関係」であることに変わりありませんが、「子供が賢くなる」と聞けば、親なら関心を示さずにいられないと思いますし、特に少子化時代で我が子への投資は怠らないという意識が高くなっていますから、このコンセプトはかなりイケる!と思います。

どんな業界にも、このようなイケてる切り口はあるはずです。売れない売れないと嘆くばかりでなく、ぜひあなたも発想を転換し、この事例を参考に知恵を絞ってみてください(@^^)/~~~

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