「勝手に広告」を作りはじめたクリエーターたち
2006.12.14 23:00 written by ishihara カテゴリ:トレンドウォッチ
そろそろ年賀状を書かなくちゃ・・・なんて季節になりましたが、最近はPCの普及で、まったくの素人でも、それなりにカッコイイ印刷物が自宅でできるような時代になりました。さらに情報化社会の発達で、自分で作った『作品』をネット上に自由に発表できるような環境にもなり、世の中には「にわかクリエーター」が増殖しつつあります。
そんななか、「もうだまっちゃいられない!」とプロのクリエーターたちが、頼まれてもいないのに「勝手に」企業の広告を作り、発表しているらしいです。おもしろい現象ですよねぇ(*^_^*)
考えてみれは、彼らは普段、「お金をもらって」企業の広告を作っているわけです。仕事としてやっているわけですから、当然クライアントの意に沿うものを作る責任があるわけで、「自分の作りたいものを何の縛りもない状態で自由に作れる世界」は、彼らの理想郷かもしれません。
半分遊びゴコロで発表している作品ですが、そこはあくまでも「プロ」の仕事。そのクオリティーはかなり高く、笑いながらも妙に心に響くような作品が続々誕生しているのです(*^^)v
企業広告が変わってきているといっても、まだまだ「売り」の強い広告が多い中、『企業側の主張ではなく、消費者が面白いと思える視点に立つ』という意味で、企業広告のあり方を、ちょっと考えさせられてしまいます。
大きな企業の広告って、最終的に取締役の稟議が通らなかったりしますが(若きクリエーターの感性を理解しきれなかったりしますからね)、インターネット上で話題になれば、効果があるって証拠ですから、例えば、このサイトを見た企業関係者が「じゃあこの感覚でうちの広告作ってよ」なんて話が来るケースも増えるかもしれませんね(*^^)v
そうなれば、会議でいくら頭の固い役員が反対しようとしてもムダな抵抗ですよね(ーー;)
日本の企業広告も、少しは変わるかもしれません。
さらに、こうした「勝手に○○」は、まさにブームのような様相を呈してきて、MacのCMが「勝手にニックネーム戦略」だという話は、先日このブログにも書きましたが、宝島社から昨年末に出た「15歳からのニッポン文学」には、『勝手に純文学ランキング』という副題がついていて、文学研究同人誌のメンバーが「家族」「恋」「性」などのテーマ別に谷崎潤一郎から村上春樹まで、勝手に順位をつけたそうです。
また、CS放送の番組でDVDも発売されている「勝手に観光協会」では、イラストレーターのみうらじゅんさんと安斎肇さんが、勝手に各地を視察し、ご当地ソングやポスターなどを本気で作っています。サイトもかなり面白いですよ。
情報化社会が進化し、権威や秩序に縛られず、自由な発想で表現する機会が万人に与えられた今、そんな時代の気分が、日頃プロとして活躍するクリエーターたちの魂に火をつけたのかもしれませんね。しばらくは、「勝手に」ブームが続きそうです!(^^)!
あなたの会社でも、「勝手に○○」・・・やってみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~