デニーズの新業態「弁天庵」
2007.02.07 10:38 written by ishihara カテゴリ:経営のヒント
外食チェーンといえば、次々と新業態のお店を出すのが最近の流れですが、そんな中1973年の会社設立以来、ファミレス一筋を守り抜いてきたあのデニーズが、今春ついに、新業態のそば・うどん店の展開に乗り出します。
その名も「そばうどん處(どころ)『七福 弁天庵』」。本格志向のそばや天ぷらを値ごろ感のある価格で提供するほか、お酒やビール、そば味噌などのちょっとしたおつまみをメニューに加えることで、「立ち食いそば屋と高級そば店の間の空白市場を狙う」みたいです。
メニューは絞り込んだものの、ファミレス事業での取引先に、専用の原料開発までを依頼し、いなりずし、卵焼き、和風甘味なども提供します。
店舗面積は50平方メートル前後、1店当たりの設備投資額は2千万円前後を見込んでいて(これは一般的なファミレスの3分の1程度だそうです)、1店舗の想定年商は、4~5千万円ほど。初期投資が抑えられることが、ビジネスとして魅力的だったのはもちろんですが、今回の決断は、社会背景とも密接に関係しています。
今年から大量退職が始まる団塊の世代を積極的に採用し、将来的には店長も任せる意向だというのです。今や外食産業では、パート・アルバイトの安定的な採用と、その教育が大きな課題になっていますから、社会経験豊富なこの層の確保に目を向けたのは、なかなか良い発想だと思います(*^^)v
さらに、一見するとまったくデニーズ関連って分からない店舗の作り方に、その本気度がうかがえます。ふつうブランドが強いと、その影響力を活かした新規事業を考えちゃうものですが、まったく分からない形にしたというのは、新しいコンセプトで真剣に勝とうとしている証拠です。
特に大手の会社などは、ブランド名が通っていると、「○○ホーム」「△△化粧品」みたいに、その名前を使って新規事業をやったほうがいいと考えしまうようですが、それは逆に考えると、新ブランドが本当の力で立ち上がったわけではないので、結果そこそこしか売れない場合も多いのです(ーー;)
弁天庵は昨年10月にオープンした東京都中央区の実験店舗で、収益面でも問題ないことがわかり、いよいよ今春本格稼動!数年で百店程度の出店を予定しているようです。本気のデニーズの新業態、今後の展開にしばし注目してみようと思います(@^^)/~~~