全自動おそうじトイレ「アラウーノ」
2007.02.23 18:30 written by ishihara カテゴリ:発想転換のツボ
トイレ掃除は家事の中でもちょっと気の重い仕事だと思いますが、そんなトイレ掃除から開放される画期的な便器『アラウーノ』が好調に売上げを伸ばしているようです。
この『アラウーノ』は、「3ヶ月間ブラシ掃除不要」を売りものに、昨年12月、松下電工から発売されました。国内のトイレ市場では、TOTOとINAXの大手2社が9割以上のシェアを持っていますから、後発の松下電工としては「発売1年後には、月間3,000台」を目標にしていたようですが、ふたを開けてみると、初月の12月だけで、3,000台を軽く超える注文が殺到したのです!(^^)!
従来の便器のほとんどは陶器製でしたが、実はこの便器には陶器ではない新素材が使われているのです。その新素材とは、「有機ガラス」という合成樹脂で、その開発には3年を要したそうです。
有機ガラスは、店舗の看板や携帯電話のカメラ用レンズにも使われている素材で、軽くて加工しやすい上に、汚れが付きにくいのが特徴です。しかし、トイレとして製品化するためには、強度や撥水性、また薬品に対する耐久性など、クリアしなければいけない課題が山積したそうです。
そこに活路を見出せたのは、「新素材に陶器と同程度の強度や耐久性を求めるのではなく、強い磨き掃除を不要にすればいいのでは?!」という逆転の発想を持ったからで、浴槽関連の技術の応用で誕生した「泡洗浄」という新しい洗浄方式を採用したことで、「汚れの付くにくいトイレ」はようやく商品化に漕ぎ着けました。
この新素材製トイレ開発プロジェクトチームには、通常の10倍にあたる約60名の人員が投入されたようで、松下電工の並々ならぬ決意を感じますが、マーケティングの視点から見ると、これは、技術力の勝利というより、トイレに「掃除が楽」という付加価値をつけた「アイディア」の勝利といえるでしょう(*^^)v
同じように、自分で内部をクリーニングするエアコンや、フィルターも自らクリーニングする掃除機「タイフーンロボ」などもよく売れています。どんな商品にも、気の利いたアイディアをプラスアルファすることで、爆発的に売れる可能性があるわけです。
あなたも、この事例を参考に、自社の商品にプラスする付加価値のアイディアを真剣に考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~