「セカンドライフ」で展開する第二のビジネス
2007.02.27 17:32 written by ishihara カテゴリ:経営のヒント
今話題の「Second Life」をご存じでしょうか?今年の春は団塊の世代が大量退職を迎えますが、定年後の第二の人生の話ではありませんので、念のため(笑)。
「セカンドライフ」とは、世界で約360万人もの人たちが参加している米国発のオンラインサービスです。まぁ、ゲームのようなものですが、敵と戦うなどの決まった目的はなく、参加者が自分の分身(これをアバターって呼ぶそうです)を作り、バーチャル空間の中で自由な経済活動をして「第二の生活」を営むわけです。
このサービスは、米国リンデンラボ社が2003年に開始したものですが、同社が用意したのは「空間」だけ。そこに参加者たちが専用ソフトを使い、自由に土地や建物などを作っていくんです。さらに、それを参加者同士で交換したり、米ドルと交換できる仮想通貨で売買することが可能です。
土地を所有すると、そこでイベントを開催したり、あるいは起業したりと、さまざまな活動が可能になります。 静かな土地にコテージを建ててリラックスするもよし、島全体に夢のアミューズメントパークを作るのもよし、といった感じです。
さらに、米国ではこの仮想空間に、企業が次々と出店し、広告やマーケティングに活用し始めているのです。企業が地方都市に支店を作るような感覚で、この仮想空間に「セカンドライフ支店」を持ち始めてるってことです(*^^)v
今春いよいよ「日本語版」のサービスが開始される予定で、そのチャンスを狙って、日本のビジネス界もにわかに騒がしくなっているというわけですが、日本でこの流れにいち早く反応したのが「広告業界」でした。
不動産業界じゃないところがまたおもしろいなって思っちゃったんですが、博報堂DYホールディングス系のネット広告会社「DAC」はすでに先月、セカンドライフ内にバーチャルオフィスを開設したようですし、電通もデジタルハリウッドと組んで「セカンドライフ研究所」を開設し、会員企業を募って参入課題の研究や、情報交換を始めました。
もちろんセカンドライフに参加したからといって、すぐに収益が上がるわけではありませんが、経営者としては、こうした動きを必ず知っておく必要があるのです。特に今は時代のスピードが速いので、今目の前で起こっていることの、先の先までイメージできないと、ビジネスが難しくなってくると思っています。
セカンドライフのセミナーを主催するベンチャー企業では「今、だれもがメールアドレスを持っているように、2015年にはすべてのビジネスマンがアバターを持つようになる」なんて言っているみたいですが、それはともかく、企業をセカンドライフに誘致する事業は、今後かなりの成果を上げることになるでしょう。
広告業界が、セカンドライフで稼ぎ出す「第二の収益」が、リアル社会の広告収入を抜く・・・なんてショッキングなニュースが流れる日も、そう遠い将来じゃないのかもしれません(@^^)/~~~