ブログ「石原明の経営のヒント」

学校教師も塾へ通う?!

受験シーズンも一段落し、お子さんが無事卒業式を迎えられたご家庭も多いかと思いますが、そんななか「塾講師のノウハウ教えます!」とばかり、現役教師を対象にした講座を始めた塾があるんです。

進学塾の「早稲田アカデミー」では、今月から、小学校から高校までの現役教員を対象に「教師力養成講座」を開設しました。といっても、教えるのは教科の内容ではなく、「声のかけ方」や「目線の合わせ方」など、生徒の気持ちをどう引きつけやる気を出させるか、といったテーマで、「学習のための空間作り」のノウハウをきめ細かく提供するそうです。

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同アカデミーでは、2年ほど前から東京都の港区などで、公立中学の補修授業を受託していて、その際、塾講師の「テクニック」を間近で見た学校側から、「ノウハウを学びたい」との要望が寄せられ、昨年秋からは学校に研修講師を派遣していたそうです。その実績を踏まえ、今年から本格的に事業化したというわけです。

競争が激しい塾業界では、生徒と保護者の評判が直接経営を左右しますから、これまでも生徒を引きつけるための研修を、新人講師に対して徹底的に行っていた経緯があり、今回の講座でもそのノウハウを応用するそうです。

このニュースを聞いて「なるほどなぁ~」と思わず笑ってしまったんですが、いわばライバル的存在だった学校の先生を「お客さん」として取り込んでしまったわけですから、かなりユニークな発想ですよね(*^^)v 

この講座は、1回3時間程度、計10回で35,000円。既に私立の中高一貫校3校の教師約20名から申し込みを受けているそうですが、考えてみれば、学校教師という職業は、着任したその日から「先生」ですから、特別な研修など受けていないんじゃないかと思います。

少子化で、塾の競争が激化しているなか、この学校教師というマーケットは意外に大きいかもしれませんね。こんな風に、経営者が業界の垣根を超えて発想を広げれば、ごく身近に新たなマーケットが見つかるかもしれません(@^^)/~~~

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