“紙ジャケ”人気でLPレコード続々再生産
2007.05.31 11:00 written by ishihara カテゴリ:トレンドウォッチ
このところ往年のLPレコードが、続々と復刻されているのをご存じでしょうか?紙ジャケットで復刻した洋楽CDが好評だったことから、インペリアルレコードでは、1970年代に活躍したTレックスの作品など、12タイトルを発売したそうです。
かつてLPレコードに親しんだ40代から団塊の世代をターゲットにした戦略でもあるのでしょうが、「アナログ特有の温かみ」をもう一度世に出したいという動きは、業界全体に広がっているようで、コロンビアが、美空ひばりの作品など、15タイトルのLPを発売したかと思えば、ユニバーサルミュージックでも、ポリスや井上陽水など、50タイトルを発売するそうです。同時に、高額のレコードプレーヤーも、良く売れているようです。
この流れの発端になった「紙ジャケット(通称紙ジャケ)」とは、現存のLPジャケットの画像を取り込み、CD用などに再加工したもののことですが、そこには、日本人ならではの器用さが一役買っているという話を聞いて、おもしろいなぁ~と思いました(~o~)
なんでも、一辺30センチのLPの画像を、そのまま13.5センチ角のCDサイズに縮小しても、細かい活字が潰れるなどして、うまくいかないそうです。また、印刷技術も、紙の素材も、当時とは変わっていますから、「あのころのまま」を再現するには、手作業による“技”が必要なんだそうです。
中途半端な仕事では、目の肥えたファンから「甘い」と不評を買ってしまうそうですが、日本人のミニチュア好きと元来の器用さを持って、本物を「忠実に再現する」ことに成功した作品は、世界中のマニアから、ものすごく高い評価を得ているんだそうです。
紙ジャケには後発だったソニー・ミュージックダイレクトでも、細部にまでこだわる再現ぶりが人気を呼び、昨年12月で、紙ジャケCDの売上げが100万枚を超えたそうですから、すっかりマーケットが出来上がった感もあります。
中でも、昨年の6月に発売した、サンタナの「ロータスの伝説」は、1973年のオリジナルLPどおり、横尾忠則さんによる「22面体」ジャケットを紙質まで忠実に復刻し、当時を知る中高年ファンのド肝を抜いたといいます。
そもそも、輸入盤のCDにライナーノーツ(解説文)を付けて売ったのも、日本人ならではのアイディアだそうですが、完成度の高い紙ジェケもまた、作品の付加価値となることは間違いなさそうです。さらに、紙ジェケは、ECOという観点や、収納にかさばらないなど、世の中に受け入れられる要素を合わせ持っています。
私は最近、趣味マーケットやマニアマーケットの意外な大きさに注目していますが、こういう市場をターゲットにして、リアルさ、本物度などが加わると、結構すごいことになるという、まさに見本だと思います。この紙ジャケ人気に、しばし注目してみたいと思います(@^^)/~~~