ブログ「石原明の経営のヒント」

自宅がピアノバーに?! 玩具を超えた玩具

最近、“大人”をターゲットにした玩具で次々とヒットを狙っているセガトイズの『グランドピアニスト』という商品をご存じでしょうか?

玩具といっても、本物のさながらの音質にこだわり、6分の1サイズに精巧に作られた『グランドピアニスト』は、価格は49,350円と結構な値段にもかかわらず、年間目標の6万台を大きく超える勢いで売上げを伸ばしているようです。日経MJ恒例「2007年上半期ヒット商品番付」でも、西方の前頭に見事ランクインしていました。先週ビッグサイトで開催されていたおもちゃショーでも、かなり注目を集めていたようです(*^^)v

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このピアノは、実際に指で鍵盤をたたいて音を出すことも可能ですが、中には100曲のデータが内蔵されていて、88の鍵盤が自動的に動いて曲を奏でる“自動演奏”機能付きなんです。部屋の照明を少し暗くして、ワイングラスでも傾けようものなら、いきなりピアノバー気分になったりもするわけです(*^_^*)

外見の質感にもとことんこだわり、ヤマハの協力をあおいで、実物のグランドピアノをあらゆる角度から300枚以上も写真撮影をして研究したそうです。

また、本体はプラスチック製なので、顔が映るほどのツヤを再現するため、溶剤を流し込む金型を極限まで磨く…なんて努力もしたみたいです。さらに、一見「無駄」と思われる弦やペダルまでをも再現し、鍵盤を保護するために使うフェルト生地まで付けるこだわりぶりです。

もともとシニア層をターゲットに設定していたため、「ちゃちなつくりではごまかせないだろう」という覚悟はあったものの、当初は自動演奏機能だけを付け、鍵盤を押して音を出すことは考えていなかったんだそうです。

しかし、実際展示会に出してみると、商品の鍵盤を押して「なんだ、音が出ないのか」と残念そうにつぶやくお客さんが多かったことから、音を出すためのスイッチを、幅約4mmの鍵盤に苦心して仕込んだのだとか。

憧れのグランドピアノを買うとなると、ゆうに100万円は超えますし、日本の住宅事情から置ける環境も限られてしまいます。そんな大人の夢を“小さく叶える”戦略は、大いに参考になりそうです。玩具業界の大人をターゲットにした戦略は、当分続きそうですね(@^^)/~~~

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