ブログ「石原明の経営のヒント」

戦わない経営

この本は、「日本の開業率を10%に引き上げます!」をミッションに、レンタルオフィス事業を展開するビジネスバンクの浜口隆則社長の書いた本です。本自体はとてもあっさりした作りになっているので、「あっと言う間に読み終わってしまった」なんて感じる方もいるかもしれませんが、『ひとつひとつ選ばれた言葉で構成されている』って思って読んでいただけると、内容が伝わり、この本の深さが分かると思います(*^^)v

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かんき出版 1,260円(税込)

私は、毎年1回この会社で講演をしています。つまり、ビジネスバンクからオフィスを借りている創業社長たちに向けてお話しているわけなんですが、会社に伺うたびに、単にオフィスを貸すだけでなく「創業支援」のためにいろいろな活動をされている浜口社長の様子に、とても温かさを感じます。

当初は、そんな浜口社長の考えを「冊子」というかたちで配ったところ、それが出版社の目にとまり、本書の出版に至ったようです。彼の人柄と経営のヒントが、行間からひしひしと伝わってきます。

レンタルオフィスというビジネスがどうすれば成功するか・・・単純に言うと、大家さんからなるべく物件を高く借りてあげて、そのスペースを小さく区切って、なるべく安い家賃で起業家に提供する、ということになります。そのなかで自社が収益性を上げていくには、いかに少人数で効率的に経営するか、つまり現場は「改善につぐ改善」しかないわけです。

効率的な経営をとことん考えた結果、「自分がいなくても回る会社を作る」というコンセプトに行き着いたようです。これは社長自身だけでなく、社員一人ひとりがみな同じように「自分がいなくても日常業務に支障をきたさない」状況を作っています。

この会社に入社すると、もれなく「ホノルルマラソン出場」という社命が下るのですが、それも自分がホノルルを必死に走っている間も、会社は普通に営業しているという状態を作るため、という意味もあるようです。

こんなことを楽しく考えられる、浜口社長の経営センスはかなりのものです。ぜひ、じっくりと時間のある時に本書を開き、味わいながら読んでみてください(@^^)/~~~

経営コンサルタント石原明 公式サイト 石原明.com
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