内々定後にOB・OG訪問?!
2007.08.29 09:08 written by ishihara カテゴリ:経営のヒント
景気回復に伴い、新卒学生の就職市場が激変しているようですが、最近では、企業から内々定をもらった後から、より熱心にOB・OG訪問を始める学生が増えているそうです。
就職氷河期と違って複数の内々定を得る学生が少なくないなかで、就職後に「後悔したくない」という思いから、実際にやらせてもらえる仕事の内容、社風や残業の実態などを聞いた上で最終決断しよう、ということのようです。
かつてのOB・OG訪問と言えば、企業内の「リクルーター」と呼ばれる若手社員が、出身校の後輩とじかに接触し、短時間の面接だけでは判断しかねる能力や人間性を見抜いた上で、内定を出すというパターンが一般的でした。会社側からみると、事実上の1次面接のような役割をしていたわけです。
バブル崩壊後は、企業側もなかなか人手をさけなくなり、そんな動きも下火になっていましたが、昨年あたりから、急激に学生のOB・OG訪問が増えているのだそうです。
情報化社会の進化を考えれば、これは当たり前とも言える現象だと思います。今や就職活動にもインターネットは欠かせないツールとなっていて、説明会等へのエントリーをサイトから出来る企業も多いですし、企業側からの面接日の連絡などにも、当たり前のようにメールが使われる時代です。
また、 ネット上には、さまざまな評判やうわさが飛び交う時代ですから、企業の人事担当者も、学生への対応には相当気を使っているようですが、学生側もネットの情報をそのまま鵜呑みにできないことは肌で感じでいるようで、企業の実情を確かめるために、OB・OG訪問をしているわけです。
誰もが容易にネットで情報発信できる時代になったことは、歓迎すべきことではありますが、反対に「ネットでの評判をリアルの社会で確かめたい」というニーズも高まっている、ということです。そして、これは、学生に限らず、一般消費者にも共通する心理です(*^^)v
また、人材確保が難しくなっている近年では、企業側ができるだけ「自社の見栄えを良く」することに相当な努力をしています。会社説明会にせよ、会社概要などのパンフレット類にせよ、かなりの投資をして、学生たちにアピールしているわけです。
しかし、おもしろいことに、そういった傾向がエスカレートすればするほど、『逆武装』みたいなかたちで、『本当のことを当たり前のように公言する』企業が、より注目され始めるのです。
そういう心理を十分理解した上で、これからの企業は、ホームページなどを十二分に活用して、上手に情報開示をしていく必要があるでしょう。この事例をヒントに、自社の情報発信戦略を見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~