ブログ「石原明の経営のヒント」

吉本興業のユニークな戦略

突然ですが、この建物、何だかわかります?

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とってもユニークなかたちのこの建物は、よしもとが今年オープンした『神保町花月』です。私の事務所からも歩いてすぐのところなんですが、これが出来たおかげで、神保町の客層が変わる?なんて言われてるくらい、いろいろな意味で注目を集める存在です。

私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の会員さんたちには、今や芸能界でトップの座に輝く「ジャニーズ事務所」や「吉本興業」を事例として取り上げ、マーケティング戦略についてお話することもあるんですが、私が特に注目しているのは、両社の「人材確保と教育のしくみ」です。

芸能界でトップの座を守り抜くために、一番大切なのは「常に次のスター候補生を見つけ、育てるしくみを持つ」ってことです。ジャニーズ事務所では、みなさんご存じのとおり『ジャニーズジュニア』として、小中学生を大勢集め、レッスンを受けさせたり、先輩グループのバックダンサーとして経験を積ませ、そのなかから人気の出てきた子を選び、次のアイドルグループとして売り出していきます。

さらに賢いのがよしもとで、『吉本総合芸能学院(NSC)』という学校を作り、タレント候補生の募集と教育を、会社のお金ではなく、生徒自らのお金でしてしまう、という恐るべきしくみを持っています(*^^)v

その吉本興業が、今度は都心の小学校を借り、神保町の東京本部と、都内にある関連会社をそこに移転するそうです。移転先は歌舞伎町に隣接する旧新宿区立四谷第5小学校跡地。町の環境浄化と再生を図る「歌舞伎町ルネッサンス事業」の一環として招致されたようですが、区に支払う賃料は月額約350万円だそうです。

同小学校は、95年に少子化により閉校し、これまで倉庫として使用されてきたそうですが、移転にあたっては、校舎の外観はそのまま残し、よしもと側が約8億円をかけて耐震工事などを施すといいます。卒業生にとっても、母校を残してくれるよしもとはありがたい存在となりますね。

それはともかく、都心でこれだけの広さの物件を確保するのは難しいですから、吉本興業にとってもかなりメリットがあったと思います。よしもとなら、学校のいろいろな施設を面白く活用してくれそうですし・・・同社の今後の展開に注目しておきましょう(@^^)/~~~

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