ブログ「石原明の経営のヒント」

ネット活用のセンス

情報化の進んだ今日では、サイトでの「情報発信」の質と量がビジネスの速度を決めると言えますが、見方を変えれば世の中に「情報の氾濫」が起こっているとも言えるわけで、そんななか、お客さんの心を確実に掴むためには、企業側にもかなりの「センス」が必要になってきたようです。

旅行会社「地球の歩き方T&E」は、先月24日に『地球の歩き方 旅の達人』という新サイトを開設。外部の専門家が旅行プランをアドバイスし、手配までしてくれるサービスを始めました。

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上記のように、さまざまなエリアの「旅の専門家」をネット上で組織し、ブログなどで情報を発信。パック旅行に飽き、個人旅行を望む消費者たちをターゲットに、来年3月末までの半年間で、2億円の取扱高を目指すそうです!(^^)!

当初「達人」として業務委託契約をかわすのは、大手旅行会社を退職後、自らの旅行会社を起業した専門家ら10名ほどで、彼らには旅行代金の5~10%程度の手数料が入るしくみになっているみたいですが、ネットでの情報発信のほかに、実際の会場を用いたセミナーなども企画し、中高年層をメインターゲットに大手旅行会社との差別化を図る作戦です。

経験豊かな達人たちも、リアル店舗での個別の接客では、相手にできるお客様の限界もありますが、ネットを活用することで、彼らのノウハウをより多くのお客さまに提供できるわけですし、お客さまにとっても「本物のプロ」に気軽に相談できるという点では、とてもありがたいサービスだと思います。

今、ネット上には「個人の旅日記」といったテイストの情報が溢れ、いとも簡単にさまざまな情報を入手できるわけですが、そうなると消費者のなかに「その情報が確かなものか確かめたい」というニーズが当然のごとく起こってきます。今後のネットビジネスには、そうした消費者心理をうまく汲み取り、セミナーなどを開いて「ネットとリアル」を融合させるとか、「専門家に情報を取捨選択してもらう」といった切り口がもっともっと必要になってくることでしょう。

コンサルティング能力の高い専門家を活用することで、同社は間違いなく旅行取扱高を増やすはずですから、今後の展開にしばし注目してみたいと思います(*^^)v

また、インターネット接続大手のニフティは、東京・台場にライブハウス『TOKYO CULTURE CULTURE(東京カルチャーカルチャー)』をオープンしました。このスペースは、ネット上で交流・活躍する人が実際に集まる場所として作られたもので、イベント開催時のみの営業。

ここでのライブの様子は、ブログや動画で配信するなど、ネットと連動させていく考えだそうですが、ネットで作られてきたコミュニティーを、リアルの場でさらに育てたいということのようで、やはりここでも「ネットとリアルの融合」がキーになっています(*^^)v

「『工場萌(も)え』ヒット御礼!工場ナイト2」や「らーめんナイト!!らーナビフェスタ’07」、「阿久悠追~復活・伊達(だて)男ナイト」などのイベントが企画されているみたいですが、集客に成功するには、ネットでのブームの兆しをうまく取り込んだ企画やプロデュース力がポイントになりそうですね。この事例を参考に、自社のネット活用のあり方を見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

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