デジタル社会と「ライブ」人気
2007.11.05 18:27 written by ishihara カテゴリ:トレンドウォッチ
文化の秋、芸術の秋…みなさんは、日頃どんな文化や芸術に触れていらっしゃるでしょうか? ぴあ総合研究所の推計によると、ポップス、クラシックなどの音楽コンサートの売上高は、6年連続で、また入場者数も5年連続で前年を上回っているようです。
ミュージカルや演劇、はたまた寄席など、「ステージ」の売上高と入場者数も、ともに4年連続で伸びているそうで、同研究所では「社会のデジタル化が高まる中で、生の感動を味わいたいという欲求が増えているのではないか」と分析しています。
そんなニーズを反映してか、ここ数年の間に“大人が楽しめるライブハウス”が次々に誕生し、人気を集めています。2005年にオープンした東京丸の内のライブハウス『COTTON CLUB』では、昭和30年代のキャバレーやナイトクラブを再現し、ビッグバンドの演奏に合わせて踊れるというイベントを企画したところ、予想を上回る大盛況ぶりだったそうです!(^^)!
また、今年8月に東京ミッドタウンにオープンした「ビルボードライブ」は、細部にわたるまで上質感溢れるライブハウスで、ステージ後方がガラス張りになっていて、開演前の待ち時間には都心の夜景が楽しめる他、300席ある客席では、食事をしながらくつろいでステージを観ることができ、「若い子と一緒に立って観るステージは結構疲れる(ーー;)」という年代にウケているみたいです。
昨年の夏には、東京代官山にも隠れ家的ライブハウス「晴れたら空に豆まいて」がオープンしています。「たたみ3畳」の桟敷席が人気で、豆料理などのおいしい手作り料理を味わいながら、好きなお酒(泡盛・焼酎・洋酒など50種類以上用意されているそうです)を楽しみつつ、おちついてライブを観られるユニークなスペースです。
こんな風に、個性的なお店が誕生する一方、「大じかけ」のイベントも成功していて、夏の風物詩としてすっかり定着した感もある「フジロックフェスティバル」は、前夜祭と3日間のライブで、延べ12万7千人を動員するといいますから、かなりすごいですね。
さらにすごいのが、「ステージ」人気を牽引する劇団四季と宝塚歌劇の存在。両者を合わせると、日本国内のステージ全売上高の5割強を占めるそうです(*^^)v 日本を代表するビッグビジネスとしても、この劇団四季と宝塚歌劇には、かねてから注目しているのですが、両者についての詳しい解説は別の機会に譲るとしても、とにかく「ライブ」が人気を博していることは間違いないようです。
私はこのところ「ネットのリアル化」というキーワードに注目して、このブログでも何度か取り上げていますが、ライブ人気もこの流れを汲むもので、人々はネット社会とは別の「リアル」な世界で「生の感動」を求めているんじゃないかと思います。経営者としては、こうした世の中の動きに、常に敏感でいたいですね(@^^)/~~~