“音”とマーケティング
2007.11.16 10:22 written by ishihara カテゴリ:経営のヒント
先月12日、有楽町の駅前に百貨店の「マルイ」がオープンし、付近の景観が一変しました。このところ有楽町・銀座界隈は、大人をターゲットにした東急ハンズが入った「マロニエゲート」や、五つ星ホテル「ザ・ペニュンシュラ東京」など、次々と新しい施設が開業し、少しの間行かないと街の景色が変わってしまいますから、たまにはマーケットリサーチを兼ねて出かけて欲しいものです。
有楽町マルイでは、セレクトする商品はもちろんのこと、『BGM』にとことんこだわっているようですから、ぜひご自分で体験してみてください。なんでも、音が人間の心理状態に与える影響を研究した“音楽心理学”を取り入れ、フロアや時間帯に応じて流すBGMを変えているのだそうです。
大学や音響空間プロデューサーなど専門家の協力を仰ぎ、これだけBGMに真剣にこだわった商業施設は珍しいといいます。同社では「適切なBGMを使えば、消費者の購買意欲をかき立てることができる」と考えているようですが、ぜひ効果をデータで検証して欲しいところです。
さらに、音響機器にも気を配り、5階のパウダールームでは、天井や壁に小型の平面スピーカーを置いて音の響きを調整することで、お客さんがそのスペースを実際の空間よりも広く感じられるように工夫したそうです。音も場所の広さの認識に関係しているんですね。
おもしろいなぁと思いながら新聞を読んでいると、「ドトール ボーズと提携カフェ」という記事に目が留まりました。ドトールの経営する「エクセルシオール・カフェ大崎シンクパーク店」は、音響メーカーのボーズと提携し、本格派の音が楽しめるカフェになっているのだそうです。
ボーズ社から、天井つり下げ型やスタンド型などの最新スピーカー6台の提供を受けるかわりに、店内にボーズのロゴを配置したり、将来的にはディスプレイを使った広告や、店舗内での音楽イベントも検討中だそうです。
ボーズという会社は、昔から独自の「ダイレクトマーケティング」を展開してきたユニークな発想を持つ企業ですが、今後はこんなスタイルでの広告戦略も視野に入れているのかもしれません。それはともかく、マーケティングの一要素として、「音」が注目されはじめていることは間違いないようです、
また、アロマの分野から「香り」をマーケティングに取り入れている企業も出始めています。常に情報収集の幅を広げ、既存の枠組みにとらわれない発想力を持つことが、ますます経営者に求められる時代になってきたと言えそうです(@^^)/~~~