ブログ「石原明の経営のヒント」

「人生ゲーム」と「野球盤」に学ぶ自社商品のメディア化

みなさんおそらく、子どもの頃に、1度はこのゲームで遊んだ経験があるんじゃないかと思いますが、タカラトミーの『人生ゲーム』を“オリジナル”で作れるサービスが始まるようです。つまり、世界にたったひとつだけの「人生ゲーム」を手にできるわけで、まずは第一弾として、結婚するふたりが歩んだ道のりを再現する『私の人生ゲーム for Bridal』を発売するみたいです。

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ゲームのルールは従来品と同じですが、ふたりの誕生から始まり、成長⇒出会い⇒交際⇒結婚と進み、その先には「幸せな未来」が待っているというストーリーです。盤面のマス目には、自分たちならではのオリジナルのエピソードを記載してもらえるようです。

また、盤面とパッケージには、ふたりの名前と写真も入りますから、結婚のプレゼントとしても最適かもしれませんね。結婚式の2次会でプレイし、その様子を司会者が実況中継したりしても、盛り上がるかもしれません(*^^)v 

4月上旬から、同社のショッピングサイト「トイホビーマーケット」で受付を開始するようですが、価格は36,750円。1人3個まで購入可能で、注文から約45日で手元に届くそうです。

このサービスがおもしろいのは、注文がすべてネットで完結するというところです。購入希望者は、指定のサイトにアクセスし、画面の指示どおりに名前やプロフィール、コメント(全部で56マス分も!)などを入力していきます。もちろん、写真も選んで送ります。その後、完成データの確認もネット上で行い、製品の制作に入るという段どりです。つまり、リアルでの「打ち合わせ」が一切ないまま、製品が完成するわけですね。

1個のゲームを作るために、開発担当者がいちいち本人たちとの打ち合わせに参加していたら、とても効率の悪いサービスになってしまいますから、このサービスは、ネットの普及で実現したとも言えるわけです。

確かにこれまでも、エポックの人気ゲーム『野球盤』のように、法人向けのオリジナルを作れるサービスはありました。スコアボードや外野フェンス部分に、企業の社名やロゴを印刷してくれるサービスなんですが、これもかなりおもしろい発想ですよね。自社商品が、いきなり『広告メディア』に早がわりしてしまうんですから!(^^)!

ご存じのように、実際の野球場に広告を出すには、莫大な費用がかかりますから、夢を“小さく”叶えるサービスとして、経営者の間で、密かに人気になっているとも聞いています。

今回の人生ゲームのサービスは、それを個人需要にまで落とし込んだわけです。ネット上のシステムを活用することで、“1個から”のサービスを実現してしまったわけですね。こんなふうに、世の中は急速に進化を遂げています。もしかしたら、自社の商品も、切り口を変えることで“メディア化”できたり、違ったマーケットに訴求できるかもしれません。

この事例を参考に、ぜひあれこれアイディアを絞ってみてください(@^^)/~~~


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