ブログ「石原明の経営のヒント」

ネットで現代アートを買う時代?!

村上隆の版画が20万円台、若手の絵画なら3万円台で・・・そんな気軽さがウケているのか、国内最大級のネットギャラリー「@(アット)ギャラリー・タグボート」の人気が高まっているようです。そのアクセス数は開設4年で約20倍に増え、今年から英語版も立ち上げて世界市場を目指す意気込みだとか。

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このサイトを運営するのは、ベンチャー企業の「エムアウト」。社長の田口弘氏は、機械部品商社ミスミの元社長を務めた方で、ポップアートの有名なコレクターでもあるそうです。

「ギャラリーは敷居が高く、美術は美術館で見るものというイメージが強い。でも、作家、作品の情報を開示すれば、新たなマーケットを作れるのではないか」と、自らの収集経験を通じて痛感した国内美術市場の不透明さにチャンスを感じたみたいですが、まさにその読みどおり!といった展開ですね。

ただ、当初は若い女性をターゲットに想定していたところ、フタを開けてみると、30~40代の男性が購入者の7割を占める結果となり、少しびっくりしたみたいです。アートに興味があっても、なかなかギャラリーなどに足を運ぶ時間がないビジネスマンたちが、家でお酒でも飲みながらネットを見ていて、ついつい購入ボタンをクリックしてしまった・・・なんてシーンも想像できますね(*^。^*) 現に、明け方によく注文が入っているみたいです。

情報化社会もすっかり進化を遂げ、今まではネットで買うことに多少抵抗があったようなものでも、こんなふうに普通に売れていく時代になったのです。私は、「消費者の購買行動の変化がココまできているんだなぁ~」という、おもしろい検証としてこの事例を捉えたんですが、自社の商品はこんなだからムリだと思っていないで、ネットでの販売にトライしてみた方がいいかもしれません。

現品を見ずにアートを買うって、ちょっと不安があるようにも思いますが、「1ヶ月のクーリングオフ期間」を設けることで信用を得ているようです。経営者の思考より、確実にマーケットの変化の方が早くなっている感がありますよね。

ネットなら、忙しいビジネスマンも、子育て中の主婦も、地方の美術ファンも、垣根なくアートに触れることができます。さらに国境もありませんから、海外の美術ファンを集めることで、日本の若手アーティストに活躍の場を与えることもできます(*^^)v

今後はますます、『混沌とした情報を整理し、わかりやすく提示してくれる』とか、『ちょっとめんどくさい事を代行してくれる』みたいな切り口でのネットサービスが求められてくると思います。この事例を参考に、自社の新たなWeb戦略を発想してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

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