ブログ「石原明の経営のヒント」

松坂大輔ホワイトハウスを表敬訪問

先月27日、ブッシュ米大統領が、昨季のワールドシリーズを制した「ボストン・レッドソックス」のメンバーをホワイトハウスに招いた、というニュースをご覧になりましたか? なかでも松坂に対しては「ダイスケ・ダイスケ」とフランクに呼びかけ、「彼を取り巻く記者団は私よりも多い」などと冗談を飛ばしていましたね。

これを見て、私は「さすがブッシュ!」と思ってしまったのですが…それは単に彼がすごいというより、ブッシュ氏のバッグを支えるスタッフのセンスに感心してしまったのです(*^^)v たぶん、このニュースをこんなふうに見ている人間はほとんどいないと思います。その証拠に、ネット検索して、各メディアのニュースを読みましたが、通り一遍の記事しか見当たりませんでした(ーー;) ちょっとイケてたのは、R25の携帯版のニュースくらいですかね……で、私が書かなくちゃ、と思ったわけです(笑)。

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大統領には、当然スピーチなどを考えるスタッフがいて、たとえば、来訪者がある場合なども、事前調査を十分に行い「大統領こんな感じではなしくださいね」とアドバイスするようです。貴重な面談時間の中、一瞬にして会話が盛り上がるように、特に面談者との共通点は、必ず“ツカミのネタ”として採用しているみたいです。

今回は、松坂に対して、「我々2人は英語で質問に答えるのが苦手だ」と“自虐ネタ”で参加者の爆笑を誘ったようで、これには松坂も大うけだったとか(*^_^*)

たぶん、このジョークを聞いて「ブッシュって結構いいヤじゃん!」と思ってしまった日本人も多いのではないかと思います。松坂は日本人なら誰でも知っている存在ですから、「ダイスケ」と大統領に親しげに呼ばれれば、日本人みんながうれしいわけです。ジョークを交えて人柄をプラスに伝える…さすが「アメリカン・ジョーク」!!

それにしても、たったひと言で、日本人のハートをガッチリ捕らえてしまったなんて、イメージ戦略」としては秀逸なセンスですよね(*^^)v 文化の違いや感度の違いを感じずにはいられません。

今、アメリカは次期大統領選挙の報道ばかりで、ブッシュ大統領がメディアに登場する機会はめっきり減っていますし、失礼ながら、あまりイメージのいい大統領ではありませんでしたよね。それが、この「ダイスケを熱烈歓迎」の報道で、少なくとも日本では、ブッシュのイメージは確実にアップしたと思います。

そう考えると、これからの政治家や経営者は、自分のバックヤードに、いかに優秀でセンス溢れるスタッフを持てるかが勝負を決定づけると思います。このニュースで思い出しましたが、その昔、鈴木善幸さんが日本の首相だった時、当時のレーガン大統領と始めて会う場面で、「私たちはお互い太平洋沿岸で生まれましたね」と言ったのです。たぶん「2人の共通点」がこれしか思い当たらなかったのでしょう…(ーー;)

どうも日本人には、会話のセンスに欠けている人が多いように思います。政治家だけでなく、経営者も会社が大きくなればなるほど、初めての人に会う機会も増えますし、他社のトップに会うということは、その会社の全社員が、あなたの言動に注目してるってことですから、これをチャンスと捉え、相手の会社の社員のハートに響く気の利いたコメントのひとつも言いたいところです。

ですから、自分のセンスにやや不安を感じる方は、ぜひ、そういうスタッフを採用して欲しいと思います。私は、このニュースをこんなふうに読み解いたんですが、あなたはどうお感じになったでしょうか(@^^)/~~~

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