ブログ「石原明の経営のヒント」

あなたの声がストーリーを変える?! 視聴者参加型ドラマ

テレビ界は「春の番組改変期」を迎え、にわかに騒がしくなっているようですが、かつてはザ・ドリフターズの「8時だョ!全員集合」が一世を風靡した「TBS・土曜8時」の超ゴールデン枠で、この4月から『新手法』のドラマがスタートするそうです。

その『新手法』とは、視聴者参加型のドラマ制作。視聴者から好きなストーリーやイメージキャストなどを募り、ドラマ作りに反映させるユニークな試みです。昨年12月中旬から、局のホームページで「一声募集」をしたところ、相当数の応募が集まり、今回はその中から、漫画が原作の『ROOKIES-ルーキーズ』を連ドラ初主演の佐藤隆太を起用し、制作することが決定しました。

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このところTBSの「土(曜)8(時)」枠は、フジ系の「めちゃ×2イケてるッ!」や、日テレ系の「世界一受けたい授業」など、他局の人気バラエティに押され気味で、視聴率低迷が続いていたようですから、今回、この枠に「連ドラ」を持ってくるのは、TBSの大きなチャレンジでもあるわけです。

同局では「土曜8時をどうするかではなく、新しいドラマをどうするかから始めた前向きな試み」だと語り、「(この)放送枠は大人の男性の在宅率も高く、家族がそろってテレビを見られる時間として一番ふさわしいと思った。時代の先駆けとなるようなドラマ作りを目指したい」と意気込みをあらわにしています。

同局のホームページに寄せられたイメージキャスト付きの作品の内訳は、漫画が6割、小説が3割、残る1割がオリジナル作品だったそうですが、中には局側の人間も知らなかったようなコアな情報もあり、「生半可なドラマを作ってはいけない」と感じたと言います。

作品決定後、視聴者参加の具体化として、企画段階から「Yahoo!JAPAN」とのコラボレーションが実現しました、なんと、脇役をネットの投票オーディションで決めるという“業界初”の試みがスタートしたのです。これまでも「花より男子」のように、「漫画のどのストーリーをドラマに入れて欲しいか」という意見を募集するという試みはありましたが、ここまで本気で、企画段階から視聴者と共に…という取り組みは、まさに業界初ではないでしょうか。

これこそがまさに『オープンソース』な発想です(*^^)v ネット社会が進化し、今や「Web2.0」などという言葉もやや古くさいものになりつつありますが、これまでのマスメディアのような「一方通行」の発想は、もはや世の中に通用しなくなっているのかもしれません。

私は、昨年から、ネットが「リアル」の世の中をも変えつつあるということについて、随分このブログでも取り上げてきました。テレビ局であれ、メーカー企業であれ、「視聴者の見たいものを作る」「ユーザーの欲しいものを作る」という発想がないと、これからの競争社会での生き残りは難しいかもしれませんね。

同局も「今回は視聴者と一緒に作っているという感じがする。今後、どんな化学反応が起こるか楽しみ」とかなり期待を寄せているようですが、果たして「TBS・土曜8時」がかつての輝きを取り戻せるのか・・・しばし注目してみたいと思います。

それにしても、少なからず「高みから情報を流す」ようなメンタリティーを持っていた大手メディアも、変われば変わるものですねぇ・・・ネットの存在は、人々の感性や感情にまで大いなる影響力を持ちつつあるようです(@^^)/~~~


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