ブログ「石原明の経営のヒント」

「築地市場」が外国人観光客に絶大な人気

このゴールデンウィーク、東京にも大勢の外国人観光客が訪れているようです。物価の高騰により、海外の主要都市が軒並みホテルの宿泊代を数倍にする中、今や東京は、外国人にとって「割安感のある」都市になったみたいです。

その外国人観光客たちにとって、「築地市場」がかなりの人気スポットになっているのだそうです(@_@;) 世界的な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」では、「新鮮なすべての種類の魚介類がお目見えするところ」として紹介されていて、京都の寺院や庭園に次ぐ、"日本で2番目"のおすすめスポットに挙げられているようです。

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築地市場によると、築地には、少ない日でも500人ほどの見学客が訪れるのだそうですが、そのうちの半数近くが"外国人"なのだとか。特にここ2~3年で、その傾向が顕著になったようです。回転寿司をはじめとする「日本食ブーム」とも、関係しているのではないでしょうか。

しかし、人気の反面困った問題も起きていて、競りの最中にカメラのフラッシュをたいたり、素手でマグロをさわったり、中にはマグロに抱きついて記念撮影をする人もいるのだとか...(ーー;) 

また、フォークリフトとの接触事故も増えたことから、東京都は4月1日からこれまで制限のなかった卸市場への入場制限を始めました。冷凍マグロの卸市場の中の約50平方メートルのエリアで、午前5時から6時15分までに限って、競りを見学できるようにしたみたいです。

築地市場は、東京ドーム約5個分の広さがあるとはいえ、水産物だけでも1日約2千トンと、世界最大規模の取引量を誇ります。また、市場内に出入りする人も、日に4万人にも及ぶため、ただでさえ「狭い」のが問題なのです。そこへ観光客がどんどん訪れれば、その狭さはさらに問題になります。

そうした事情から、築地市場側は、都内の観光協会を通じて、ホテルや旅行業者に見学自粛のお願いまで出しているそうですが、ビジネスな面から考えると、なんとももったいない話ではありませんか。

海外の都市に比べ、日本は「観光客慣れ」していない国だと思います。もちろん、言葉の問題もありますが、外国人観光客を、自分たちの「お客様」として意識していないように感じるのです。日本文化は、世界広しと言えども、かなりユニークな存在であることは間違いありません。その文化を、世界中に上手に発信することができたなら、日本はもっと大きな意味で、豊かな国になれると思うのですが......。

豊洲への移転が予定されている築地市場。同地区の商業団体などで、NPO法人「築地食のまちづくり協議会」が組織され、移転後も残る場外市場の「築地ブランド」を守ろうと、様々な取り組みをしているようですが、ぜひ「外国人観光客」をターゲットにしたビジネスモデルを構築し、本当の意味での豊かなまちづくりを目指して欲しいところです。

通常の商取引は別としても、市場にちょっとした"エンターテイメント性"を持たせるなどの工夫で、世界中から観光客を呼べる魅力が、築地市場にはあると思うのですが......あなたならどんなアイディアを出せますか? ぜひ、この連休中にでも、いろいろと楽しく発想してみてください(@^^)/~~~

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