ブログ「石原明の経営のヒント」

Law(ロウ)より証拠

今回は、CK PLATの新しいサービスとして立ち上げた「経営危機管理研究所」の所長を務めることになった平塚俊樹さんの本をご紹介します。彼は、武蔵野学院大学の客員教授であるとともに、日本初にして唯一である「evidencer(エビデンサー)」という仕事をしているんですが、この「エビデンサー」って言葉、聞いたことありましたか?

現在、日本にて商標登録申請中だそうですが、日本語にすると「証拠調査士」。アメリカでは「プライベートアイ」と呼ばれる仕事に近いですが、日本にはまだ彼1人しかいないんです。たとえば、法律に関わるような問題が起きたとき、相談先としてまず思い浮かぶのはふつう弁護士ですよね。しかし、ご存知のとおり、弁護士先生に話を聞いてもらうだけでも、時間に応じた費用がかかってしまいます。しかも、何をどう相談していいのかさえ、素人にはわかりにくいものですよね。

また、弁護士も相談を受けたところで、事実関係が整理されていなかったり、肝心の「証拠」が揃っていなければどうにもこうにも動きようがないんです。テレビドラマさながらに「潜入捜査」みたいなことを「7人の女弁護士」にしてもらおうものなら、軽く1千万円はかかってしまうそうですよ(笑)。

つまり弁護士のような専門家たちに、上手に動いてもらうにはそれなりの「準備」がいるわけなんですが、そうした仕事を引き受けてくれるのがエビデンサーである平塚さんです。彼は、弁護士はもちろん、警察関係や各分野専門の大学教授、医師などの専門家とのネットワークを持っていますから、広い見地からトラブルを未然に防いだり、事実関係を調査して「証拠」を集め、トラブルを解決に導く案内役をしてくれるのです。

近年、企業の「リスク管理」が大きな問題になっています。脅かすわけじゃありませんが、あなたの会社だって、顧客や取引先から訴訟問題を起こされたり、お店の名前や商品名が突然「商標違反」と言われたり、はたまた退社した社員が労働基準局に訴えるなんてことに巻き込まれないとも限らないわけです。そんな局面になると、経営者は孤立してただ虚しい思いをかみしめることになるんです・・・(ーー;)

そうした事態に正しく対処するためには、「相談できる専門家とのパイプを持っているか」ということが最大のキーになります。わかりやすく考えるために、家の「防犯対策」をイメージしてください。いくら"どろぼうさん"と言えども、むやみに家に侵入するわけじゃありませんよね。番犬がいたり、警備会社のシールが貼ってあったり、防犯カメラが付いていたり...そうした何らかの対策をしている家には、なるべく入らないはずです。

企業にとっても「防犯」の心構えは同じです。何らかの事態が起こったときに、最初の段階で正しい対応ができるかできないかがとても重要なのです。「つけ入るスキ」のない企業になるべく、常日ごろから十分にリスクに対する対処の心構えやその姿勢を学んでおく必要があるわけですが、そのためにも、特に経営者の方は、本書に目をとおしておくことをおすすめします。この夏休みにでも、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

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