ブログ「石原明の経営のヒント」

携帯で会社のイメージを上げる!?

今やビジネス用とプライベート用、ひとり2台の携帯電話を持つ人も少なくないと思いますが、KDDIが今月(2008年8月)下旬をめどに立ち上げるちょっとおもしろいサービスがあります。同社はauブランドの携帯電話の外装に、企業独自のデザインを施す法人向けサービスを展開するのです。

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これまでも、携帯の外装パネルを取り替えられる機種はありましたが、オリジナルにするにはそれなりのロットが必要でした。しかし、今回同社が導入するのは、外装パネルを企業ごとに特注するしくみです。中堅・中小企業のオーダーにも対応していくようです。同時に、初期メニュー画面も企業の独自仕様に変更し、業務での使い勝手の向上も考えてくれるみたいです。

このニュースを聞いて、ちょっとおもしろい話を思い出してしまったのですが、それは、郵便局が民営化される前のこと。営業を担当する局員さんに、お客さんとの連絡用や顧客データなどを打ち込むための端末として、携帯電話が局から支給された時代があったのだそうです。ご存知のように郵便局は営業時間中、局員さんの机が丸見えですよね。その状態で、自分の席で携帯電話を出して、一生懸命データ入力をしていたところ・・その局には、「就業時間中に携帯をさわってる局員がいる」とクレームが集中したのだとか・・・(ーー;)

確かに携帯をさわってると、仕事してるんだか遊んでるんだか微妙な感じがしますよね。その局員さんは決して遊んでるわけではなかったのですが、お客さんにはそう見えてしまったわけです。頭を悩ませたその局では、どうしたと思いますか? なんと、「真っ赤な携帯電話」を局員に支給しなおしたんです!(^^)!

赤い携帯電話が、郵便局のイメージにぴったりだったのでしょう。それからはこういったクレームは一切来なくなったそうですよ。そのくらいデザインのイメージって強烈なわけです。

そう考えると、企業が営業マン全員に「自社モデル」の携帯を持たせることで、意外と簡単に企業イメージを上がられるかもしれませんね。会社のロゴマークをあしらいつつ、プレミアが付くくらいかっこいいデザインの携帯電話機を作れば、街中で営業マンがその電話を出して電話しているだけで、企業イメージが上がるかもしれません。大げさに言えば、社員が自社の看板をしょって歩いてる・・・みたいになりますよね。社員にもその自覚が生まれるかもしません(笑)。

また、この事例を別の角度から眺めると、携帯の外装パネルを「広告媒体」にしたということです。まさに「Googleモデル」です。個人需要では飽和状態に近い携帯電話市場においては、こんなふうに発想を変えていかない限り、マーケットは広がらないということです。auもいいところに目を付けたと思います(*^^)v

自社商品を広告メディアとして捉えなおす、さらにそれを法人需要とマッチングさせる...この発想はみなさんにも参考になるはずです。私の主宰する高収益トップ3%倶楽部の合言葉である「世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている」とは、まさにこんな感覚です。ぜひ楽しみながら世の中を上手に切り取っていきましょう(@^^)/~~~


PS,ちなみに郵便局といえば、最近はハガキや切手を入れてくれるビニール袋に、「広告スペース」があるのをご存知でしたか? うちの会社にあったビニール袋には、会社の目の前にある共立女子大が広告を出していました。民営化されて、それなりに"企業努力"してるんですね。これで袋の代金は広告収入で十分賄えるようになったはずです。・・・それにしても、一番初めに広告を取りに行った人はかなり勇気がいったことでしょう。へんなところに感心してしまいました(*^_^*)

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