「高野山カフェ」に見る本物の持つ説得力
2008.08.30 09:20 written by ishihara カテゴリ:トレンドウォッチ|経営のヒント
早いもので夏も終わりを告げようとしています。そろそろ秋の気配を感じますが、来月3日(水)から7日(日)<2008.9.3~9.7>の期間限定で、東京・青山に「高野山カフェ」がオープンするようです。このカフェが開かれるのは今年で2回目。昨年は6日間に3,300人が訪れ、連日、限定ランチは売り切れ、写経や瞑想などの体験も常に満員で、せっかく来たのに中に入れずに帰っていく人も多かったそうです。
昨年の経験をふまえ、今年は地下の広いスペースを活用することで、体験可能な人数を増やしたり、ネットで事前に予約を入れられる方式を採用。また、カフェの限定メニューについても、数量を昨年の5倍に増やして準備すると言います。さらに、今年は、宿坊で出す般若湯(日本酒)を使って「赤い夕日」をモチーフにしたオリジナルカクテルを作ったり、経文に施律をつけて唱える仏教音楽である声明ライブもするそうですよ。かなり気合いが入ってますよね!(^^)!
ところで、この「高野山カフェ」の仕掛け人、いったい誰だと思いますか? じつは、「南海電鉄」の営業推進室の課長さんなんです。高野山へ向かうための鉄道もバスもケーブルカーも、すべて「南海グループ」が運行していますから、簡単に言えば「集客イベント」なわけですが、金剛峰寺から「本物」を呼んじゃうとは、なかなかたいした実行力です。
「最初は相手にしてもらえないかも・・・」と不安を抱きながら金剛峰寺を訪れたそうですが、今では同世代の僧侶と二人三脚で、カフェの新しいアイディアを絞っているみたいです。まさに「異色のコラボ」ですよね(*^^)v
金剛峯寺剛には平清盛が自らの額の血を絵の具に混ぜて彩色し寄進したと伝えられる通称「血曼荼羅」(国指定重要文化財)があるのですが、カフェにはこれを複製した縮小版の曼荼羅が展示されるそうです。また、写経や瞑想は高野山の僧侶が直接指導してくれるみたいです。いずれにしても「本物」にはそれだけで説得力がありますから、このカフェでの体験を通して、高野山を実際に訪れたくなる人たちも増えることでしょう。
「カフェの体験を契機に若い世代にも高野山観光に興味を持ってほしい」との思いから企画されたこのイベントは、まさに狙いからどおり、20代後半から30代半ばの女性たちに人気を呼んでいます。この層の女性たちは感性も高い人が多いですから、もうフェーク(にせもの)では彼女たちを巻き込めないのかもしれませんね。
随分前にこのブログでも「大仏の手」の話題に触れたことがありますが、いずれにしても、これからはますます「本物をリアルに」がキーになっていくのかもしれません。集客成功の秘訣は「本物とのコラボ」。この事例はそれを見事に物語っているようです。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~