ブログ「石原明の経営のヒント」

ヤマダ電機が車を販売!? ネットとリアルの勝敗はいかに

ガソリンの急騰による影響で「クルマ離れ」が進むなか、各社ディーラーの苦戦をよそに、自動車販売に"新興勢力"が台頭してきているようです。あの「ヤマダ電機」が、いよいよ関東で、試験的に中古車と新車の販売を始めているのをご存じでしょうか?

茨城県つくば市郊外にある「テックランドつくば店」の2階の1角に『中古車買い取りカウンター』がお目見えしたのは、今年7月(2008年7月)のこと。ここでは、査定だけで1千ポイント、なんと!買い取りが成約すれば1万ポイントが付くというのです(@_@;)

s-yamada.jpg

以前、このブログで「amazonでいよいよポイント制導入」という記事を書きました。そのなかで私は「もしamazonで自動車を扱うようになったら、ポイントを集め出した人は、どこかのディーラーで試乗だけして、amazonで車を買うようになるだろう...」と書いたのですが、どうやら「ヤマダ電機」に先を越されてしまうかもしれません。

同社では6月に自動車買い取り店の運営子会社「ヤマダオートジャパン」を設立し、買い取りチェーンの「ジャンプジャパン」をフランチャイズチェーン(FC)加盟企業にして、茨城県内の3店舗で買い取り業務を開始したほか、1階入り口横では、未使用の軽自動車などを実験的に展示販売しているようです。

たしかに、郊外型の店舗には、自家用車で来る人がほとんどで、しかも家族連れで来店するケースも多いでしょうから、カー用品だけでなく、車本体もそこで買えたら、結構便利かもしれません。同社でもこの新規事業への参入について、「既存の物流や店舗のインフラを活用した多角化で、来店者の利便性を高める戦略の一環」だと話しています。

今後、買い取り事業は、各地でFC加盟店を募り、2~3年のうちに、全国200カ所規模に広げる方針だそうですが、仮に200カ所で月に4台を販売するとしたら、ディーラー並みの年間1万台を売る計算になります。もしそうなれば、自動車メーカーにとっても、軽視できない存在となるはずです。

こんなふうに、「自動車はディーラーで」という常識が崩れたなら、お客さんはどこで買うかを自由に選べる時代になるわけです。そうなれば、私が以前から言ってきたように、『本当の意味での顧客化』が出来ている企業しか、もう生き残ってさえいけない世の中になってしまいます(ーー;)

これは、「ネット」であろうと「リアル」であろうと、まったく同じことです。今こそ勇気を持って、自社のビジネスモデルとマーケティングを徹底的に見直してみてください。この事例ばかりでなく、世の中には、「勝つためのヒント」がたくさんころがっているのですから・・・(@^^)/~~~

経営コンサルタント石原明 公式サイト 石原明.com
経営次進塾
キクタス