BOSS×吉野家=働く人の味方!?
2008.11.26 18:26 written by ishihara カテゴリ:発想転換のツボ|経営のヒント
今、サントリーの缶コーヒー「BOSS」に、こんなシールが貼られているのをご存じでしょうか?このシールが付いているのは、BOSSシリーズの「無糖ブラック」「レインボーマウンテン」など5種類ですので、ぜひチェックしてみてください。
じつは、このシールを牛丼の吉野家の店頭で提示すると、その場で「50円引き」の特典が受けられるんです。つまり、BOSSを飲んだ人は、牛丼や定食を通常価格より50円安く食べられるってわけなんですが、これは今、サントリーと吉野家がタッグを組んで展開する「働く人の腹ごしらえ!」キャンペーンなのです(*^^)v
この異業種同士のタッグ、結構衝撃的じゃないですか? 私も思わず笑ってしまったんですが、おそらく「BOSS」と「吉野家」の購買層が重なることに目を付けた誰かが、このキャンペーンを思いついたのだと思います。それが「働く人のはらごしらえ!」って言葉に集約されているのでしょう。この相乗効果は、大いに期待できると思います。
どういう経緯でこのキャンペーンが実現したのかはわかりませんが、たとえばどこかの広告代理店の持ち込み企画だったとしても、特に、吉野家にはそれを受け入れる土壌があったと思うのです。吉野家をはじめとする牛丼チェーンは、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)感染疑惑問題によるアメリカ産牛肉の輸入禁止という試練をくぐり抜けてきています。
その試練によって、経営の効率化はかなり進んだと思います。つまりちょっとぐらい販売価格を下げても、十分利益の出る体質になっているはずなんです。たぶん50円の割引ぐらいは痛くもかゆくもないと思うんですが、値下げするにも「理由」がいりますよね。ただやみ雲に価格を下げるわけにはいきませんから・・・。
そう考えると、今回のキャンペーン企画は、結構「渡りに船」だったのかもしれません。これはあくまでも私の予想なので、真意の程はわかりませんが、企業は困難を乗り越えるたびに、経営体質が強くなる、という事実だけは間違いありません。
時に、金融危機に端を発した不況ムードが高まり、消費者心理は完全に冷え込んでいます。経営者としては頭の痛い時代ですが、ぜひこの時期に自社の経営を冷静に見直し、強い企業体質を作って欲しいと思います。
そのうえで、相性のよい企業とタッグを組んだ戦略を採っていくなら、その効果は絶大です。ぜひこの事例を参考に、今こそ経営者としての知恵を絞ってみてください(@^^)/~~~