ブログ「石原明の経営のヒント」

発想転換の勝利!? 「ケシポン」大ヒット

ちょっと前から「おもしろいな」と注目していた商品がこれ、プラスステーショナリーの「ケシポン」です。いったい何をするものかって? そんなこと聞いちゃったあなたは、少し情報感度を高めたほうがいいように思いますが(笑)、この「ケシポン」は、DMの宛名面などにポンと押すだけで文字を隠せる『個人情報保護スタンプ』なのです。

「へぇ~」と思った方は、スタンプの疑似体験がゲームのように同社のサイトでも試せるので、まずは体験してみてください。

keshipon.jpg

みなさんの職場にも自宅にも、毎日相当の数の郵便物が届くと思いますが、自分のフルネームや住所までがバッチリ書かれたものをそのままゴミ箱に捨てるのには、誰でも抵抗があるものです。特に、平成17年(2005年)に個人情報保護法が施行されてからは、世の中全体がこうした「個人情報」にとても敏感になりました。

その流れを汲むように、「家庭用シュレッダー」や、「シュレッダーはさみ」みたいな商品を、各社しのぎを削るように開発し、発売を急いだものです。しかし、1通1通、郵便物をシュレッダーにかけるという作業も、やってみると結構大変なもの・・・・・・(ーー;)

そこへ登場したのがこの「ケシポン」というわけ。昨年(2007年)の12月の発売前に、新聞の商品情報欄で紹介されたところ、問い合わせが殺到し、発売後3ヵ月は生産が追いつかず、品切れ状態が続いたといいます。初年度販売目標の60万個を今年6月には100万個に修正しましたが、それも10月までに楽々クリアしたほどの人気ぶりみたいです。

ケシポンの開発担当者は、平成18年に日本で初めて開催されたオフィスのセキュリティーグッズを一堂に集める見本市に出品するための新製品開発を任され、試行錯誤しながらこの製品を作り上げたようですが、従来文字を「表記する」ために使うスタンプを文字を「消す」ことに使おうと思ったその発想こそが、とってもおもしろいですよね。「プラス」に使っていたものを「マイナス」に使おうと気づいたのですから・・・(*^^)v

この事例からよくわかるのは、すでに確実に存在するマーケットに対して、他社と全く違った発想で商品開発に臨むと、安定的なヒット商品が作れるということです。あなたの周りにも、意外とそんなマーケトが眠っているかもしれませんよ。

それにしても、一度、100万個レベルのヒット商品を生み出してしまうと、その人にかかる周りの期待も相当なものになるので、そのプレッシャーに押しつぶされなきゃいいな、なんて余計な心配をしてしまいます。以前、このブログにも書いた「トイレの便座に付ける取っ手」の開発担当者とお会いしたことがあるのですが、「次のアイディアが出なくて困ってます」と頭を抱えていました。

それはともかく、一人の人間のちょっとした気づきから、とってもユニークな商品が誕生し、世の中に影響を与え続けられるのかと思うと、とってもワクワクしますよね。ぜひあなたも、発想力に磨きをかけ、世の中をあっと言わせるような商品やサービスを生み出してください(@^^)/~~~

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