ネットでしりとり⇒「しりとりんぐ」
2009.01.31 07:57 written by ishihara カテゴリ:おもしろ企業・商品|発想転換のツボ
最高におもしろいサイトを見つけました(*^_^*) サイトを訪れた人が「しりとり」に参加すると人の輪が繋がっていく・・・その名も「しりとりんぐ」というキャンペーンサイトなんです。聞いたら一発で覚えられる、なんともイカしたネーミングですよね。昨年(2008年)10月の開設以来、すでに9万人近い人がこの「しりとり」に参加しているみたいです。
じつはこれ、熊本の「高橋酒造」のウェブキャンペーンなんですが、同社の『人と人を近づけたい』という企業理念に合うウェブ販促を模索した結果、「誰もがやりそうでやっていなかった、しりとりに行き着いた」といいます。しりとりが成功すると、両者で酒を酌み交わすんですが、そのさまが、なんともかわいいんです。
さらに、このサイトには、商品認知を高める狙いから、15の「隠しキーワード」を設定してあって、それに符号する言葉をしりとりで入力すると、「くりぃむしちゅー」のコントが見られるんです!(^^)!
しかけた本人たちは、全部のキーワードが判明するまで4~5ヶ月はかかると踏んでいたようですが、なんと、たった2日ですべてのキーワードが明らかにされてしまったそうです。ネットの浸透力のスピードには、驚くべきものがありますよね。
また、おもしろいのがサイトに「待たせるしかけ」を取り入れたところです。このサイトを訪れると、時には何十人もが「順番待ち」をしていることがあるんですが、参加者の分身が画面に登場し、体育座りをしながら自分の番がまわってくるのを待つんです。
しかし、ただ待つのも芸がありませんよね。そこで、体育座りをしながらも、自分の「気持ち」を10種類の中から選択できるようになっていて、たとえば、他の人の言葉に拍手を送ったり、ハテナマークを出したりできるのです。よく考えましたよね。
これまでウェブの世界では、「即時性」ばかりが追及されてきましたから、「待たせる」なんて発想はなかったと思いますが、発想を逆転したことで、一人当たりの平均滞在時間は11分と、この手のキャンペーンサイトでは、異例の長さとなりました。これって、テレビCMに換算すると、15秒のCM40本強に匹敵するそうですよ(*^^)v
サイトに流れる音楽もロシア生まれの楽器「テルミン」を使い、どこかほっとするような雰囲気をかもし出した効果もあってか、「食事しながら」や「一杯飲みながら」など、「ながら利用者」が多いみたいです。これも、前回のブログにも書いた「パソコンがこれまでテレビが担ってきた役割を果たしつつある」という一例かもしれませんね。
サイト自体にもかなりお金がかかっていますが、ここまでやったらあっぱれ!
★★★★★5つですね。今年一番のヒットになるかもしれません。
こうした事例を見るにつけ、「企業の一方的な情報発信」の時代が終わっていくのを感じます。企業は、消費者がやすらいだり、楽しめたりする"場"を提供し、自然に「巻き込む」ような視点を持たない限り、輪が広がることはありません。この「しりとりの輪」がどこまで広がるか、しばし注目していきましょう(@^^)/~~~