ブログ「石原明の経営のヒント」

デザインが100種類!? エポスカードの顧客獲得戦略

突然ですが、あなたは何種類のクレジットカードを持っていますか? おそらくほとんどの方が複数枚のカードをお持ちでしょうから、「今なら初年度会費無料です!」などというフレーズも、新規顧客獲得には全く響かなくなっていると思います。

そんななか、丸井グループの「エポスカード」では、「デザイン」にとことんこだわった、ユニークな戦略を採っています。下の画像は、昨年(2008年)9月に導入した「エポス・ハンドレッド・デザインカード」のサイトです。こんなふうに、ずらっと並んだデザインは100種類!!このなかから、好きなデザインを選んで千円の発行手数料を払えば、「自分だけのクレジットカード」が手に入るというわけです。

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これらは、若手、気鋭のデザイナー約80組が、横8.5センチ×縦5センチの"キャンバス"に描いた「作品」の数々です。なかにはこんなユニークなカードもあります。

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こんなカードなら、ちょっと友達にも自慢できそうですよね(*^^)v

つまり、そこを狙っての戦略だということです。これは、丸井の「客層」と大きく関係しているわけですが、同社でも「20代の若い顧客が多く、クチコミ効果が期待できる」と読んでいるのです。実際には、デザイン料や版の制作費の問題もあり、社内でも賛否両論あったようですが...。

現在、このデザインカードの発行枚数は約4万5千枚。エポスカード自体の発行枚数は、約4百万枚だそうですから、いまだ1%ちょっとという割合ですが、自分が気に入って選んだカードは、使うたびに愛着もわくようで、「メインカード」として使う人たちが増えてきているといいます。

昨年下期に、デザインカードに切り替えた会員とそうでない会員とを比べると、利用額・頻度とも、倍近い開きがあるそうですよ!(^^)!

今や、おしゃれに敏感な若者たちは、街で自分と同じTシャツを着ている人を見かけたら、2度とそのTシャツを着ないんだそうです。また、携帯やiPodなどの音楽プレーヤーを、「自分だけ」のデザインにデコレートしている人も多いですよね。

こんな感性は、日本人ならではの感覚みたいですが、商品やサービスを提供する企業側も、このあたりをよく理解しておく必要があると思います。「使う度に楽しい!」そんな感覚を商品やサービスと共に提供できたなら、「顧客化」は半分まで成功したも同じです。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~

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