ブックオフの「オトナ買い」が好調
2009.03.31 16:02 written by ishihara カテゴリ:トレンドウォッチ|経営のヒント
子どもの頃にはいくら欲しくても、おこづかいが足りなくて買えなかったものを、大人になってからその経済力にモノを言わせて一気に買い揃えることを、いつの頃からか「大人(オトナ)買い」と呼ぶようになりました。
食玩などのパッケージを開封しないと中身が分からないおまけ入り商品をケースごと買っちゃうとか、好きなマンガを思い切って全巻揃えちゃうとか・・・そんな「オトナ買い」の心理を、上手にサービスに取り入れている会社があるんです。
中古本販売のブックオフでは、サイトに「オトナ買い検索」という機能を付加し、徐々に売上を伸ばしています。つまりこのシステム、在庫のなかから、中古品と新品を組み合わせて、いくらになるかを瞬時に計算できるようになっているんです。
ちなみに、このブログを書いている現時点だと、『ONE PIECE(ワンピース)』53巻が、中古品43点、新品10点の合計16,901円で「オトナ買い」できるようです(*^^)v
ブックオフのサービスだけあって、中古優先で品揃えされるシステムになっていて、足りない号だけ新品で補います。ですから、その日の「最安値」が常に表示されるようになっているわけですが、そのあたりが節約志向を高めている消費トレンドともマッチしているようで、毎日データが更新される午後8時頃を狙ってアクセスする人も多いといいます。
ブックオフの店舗は、全国に約900店あるようですが、店舗では新刊書籍を扱っていないため、よほどタイミングがよくなければ、1店舗で「全巻」揃っていることはまずありません。つまり、この「オトナ買い」のシステムは、ネットならではのサービスだということです。
同社の「ブックオフオンライン」は、2007年8月に開設したそうですが、未だネットでの売上は、グループ全体の5%にも満たないようです。ネットビジネスとしては苦戦を強いられてきたわけですが、この「オトナ買い」の好評ぶりを受け、今年(2009年)1月には、単月の営業損益がサイト開設以来、初めて黒字になったといいます。
このサービスをもっと伸ばしていくには、中古品の仕入れにかかっていることから、以前は百点以上を対象にしていた消費者からの買い取り条件を「30点以上」に緩和し、売ってくれた人には、ブックオフ店舗の割引券を配布するなどのキャンペーンも、随時行っているようです。
また、「オトナ買い」を促すしかけとして、『タメシ買い』と銘打ったサービスも新たに展開。ブックオフ側が無作為に選んだ中古コミックの1~3巻を5セット(計15冊)を、777円で販売しています。続きが読みたくなったら、「オトナ買い」してもらおうという作戦ですね。
こんなふうに知恵を絞りながら、自社の強みを最大限に発揮していくと、他社に負けない強い商品やサービスが作れるのです。これまでは、古本屋さんを何件も探すのが面倒で、金にモノを言わせて(笑)新品のコミックを買い揃えていた人たちも、ワンクリックで「より安く」買えるなら、その方がいいかなって思ったりするはずです!(^^)!
情報化社会とは、ものすごいスピードで、商品やサービスがブラッシュアップされていく社会とも言えますね。ぜひ経営者は油断をせず、常に自社のビジネスを磨き続けてください(@^^)/~~~