「美少女図鑑」で街おこし!?
2009.08.12 15:32 written by ishihara カテゴリ:発想転換のツボ|経営のヒント
お盆休みで帰省中の方も多いと思いますが、ふだんは故郷のことを忘れていても、懐かしい街に帰ると、「もっとこの街を活性化しなければ・・・」なんて考えるものではないでしょうか? 私は静岡県の出身ですが、沼津商工会議所では「さぁ来い、ハリウッド!大作戦 ロケでまちが元気になるプロジェクト」を発足し、映画のロケ地として街を有名にしていく取り組みを始めました。
今後、サイト上に「ロケ地ライブラリー」を作り、沼津御用邸に代表される歴史的建造物や沼津港魚河岸などの名所を写真付きで公開するほか、映像機材が運び込めるか、駐車場はあるかなどの詳細な情報を盛り込み、全国の映像関係者に向けて情報発信していく意気込みだそうです。
一方、札幌市では、今月(2009年8月)、札幌の中心街である大通地区で街づくりの専門会社を立ち上げるそうです。社名はズバリ「札幌大通まちづくり」。地元商店街や大型店の出資で、補助金に頼らない自主財源を確保し、地元関係者が一丸となって地域の魅力向上に取り組むそうですよ。
「いよいよ街おこしにも会社組織が必要なのか・・・」などと思っていたら、まったく別の手法で「街おこし」に貢献している媒体を知りました。みなさんも聞いたことがあると思いますが、『美少女図鑑』というフリーペーパーです。「地方都市に美少女を増やそう」という目的で、新潟市のデザイン会社「テクスファーム」が立ち上げた、地元の美少女(もちろん全員素人さんです)写真集なのです。
モデルである美少女たちはもとより、制作に係わるカメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、グラフィックデザイナーなどもすべて「地元」から調達。もちろん広告主も地元企業です。特に美容院などには宣伝効果のある媒体で、モデルさんのヘアメイクを担当すると、「こんな髪型にしてください」と言って新規に来店するお客さんが増えたりするそうです。
この『美少女図鑑』は、A5サイズ、全64~80ページ、フルカラーというフリーペーパーとは思えないようなしっかりしたつくりで、2002年11月の新潟版から始まり、じわじわとクチコミで広がっていったのですが、05年8月の沖縄版から、映画デビューする子が誕生したことで、一気に話題を集めました。
今では、モデルを募集すると数百人の応募が殺到し、また、配布と同時にラックから消えるため「幻のフリーペーパー」などと噂されているようです。私はどうしても「どんなものか」見たかったので、スタッフに頼んで、今年6月に創刊された『横浜美少女図鑑』をヤフオクで入手しました(笑)。
経営者には、こんなミーハー心も必要かもしれません(*^_^*)
それはともかく、廃刊に追い込まれるフリーペーパーも多いなか、この『美少女図鑑』の人気ぶりは注目すべきでしょう。1号につき20,000部を発行しているようですが、モデルに採用された子の家族や友人たちは当然何冊も欲しいでしょうから、そのくらいすぐにハケてしまうと思います。また、知り合いの子が『美少女図鑑』に載ったら、仲間内で必ず話題にしますよね。「クチコミのしかけ」としても秀逸です。
それにしても、ひとつのデザイン会社が立ち上げた企画が、こんなふうに全国展開されるのは、本当におもしろいと思います。情報化社会が進化した今、「地方発」は十分アリなんです。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~