ブログ「石原明の経営のヒント」

年商100億の社長が教える、丸投げチームのつくり方

この本は以前に読んで、かなりおもしろいと思っていたのですが、ご縁があって先日著者の山地社長にお会いしました(*^_^*) この本の内容をそのまま実行し、みんなが生き生きと目標に向かう組織づくりを見事に実現しているところにとても好感を持ち、すっかり意気投合してしまいました。ちなみに、この本を書いたときは「100億」でしたが、すでに「120億」を超えているみたいです(@_@;)

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山地章夫(著)アスカビジネス

ヤマチユナイテッドグループは、北海道で建築資材の商社、輸入住宅建築、デザインリフォーム、輸入インテリアなどなど、50にものぼる事業を展開しています。山地社長はそのすべてを統括するグループのトップなわけですが、かつては会社を大きくすればするほど、事業を拡大すればするほど、どんどん大変になっていったんだそうです(ーー;)

そこで、ある方のススメでチャレンジしたのが"丸投げ"なんです。「丸投げ」とは、決していい意味で使われることのない言葉ですが(下請けへの丸投げとか...)、この本を読めば「丸投げ」という言葉のイメージがガラッと変わると思います。

おもしろいことに、同社では、新入社員に真っ先に「会計」の仕方を教えるんだそうです。さらに、そもそも「資本」とはどうやって集めるか・・・なんてことを新人のうちから教えているんです。それは、将来的に全員に「社長」になって欲しいと本気で思っているからです。

そもそも、「資本」は何で集まるかといえば、この世は資本主義社会ですから、世の中には「事業家」と「投資家」がいて、投資家がその会社に投資することに魅力を感じるからこそ、資本が集まるわけです。つまり、簡単にいえば「リターンがいいから」投資してくれるわけですね。これがビジネスの基本中の基本です。

そして、投資家には「2割の配当を出すのが当たり前」なんてことを"常識"として教えているんです。ですから、新人のときから「自分が会社に与えている利益はどのくらいか」などと、とても数字にシビアになって働いているようです。

また、グループ内の連携もいいので、どこかの会社が大変になると、すぐさま2~3人が飛んでいって助けたりするようなことが、ふつうに行われているそうです。グループ企業を「縦」ではなく「横」につないで、どんどん大きくしているんですね。

だからこそ、「こんな新規事業があるんだけど」というと、「ハーイ(^O^)/」とみんなが手を挙げるような元気な社風が生まれているのです。そして、その新規事業を任された人は、目標管理や業績管理をして「2割配当が当たり前」という感じでやっていくそうです。

今は、部下教育に悩む経営者も多いみたいですが、「なぜ部下を育てられないか」といえば、「社長である自分を一個上に上げられないから」なんです。つまり、その会社で自分がずっと社長をやろうとしてるので、なかなか難しい・・・ということです。

自分が早いとこ引退して、誰かに社長をやってもらおうと考えると全く話は別で、手を挙げて頑張ってくれる部下は、とってもありがたいものですよね(*^^)v 同社には、この考え方が浸透しているので、みんな自分の部下を早く育てて上に行きたい、もっとおもしろい事業をやりたい・・・とふつうに考えているんです。

経営者なら、誰もがつくりたいと思うそんな組織のつくり方、そしてそのための具体的な方策がとてもリアルに書かれていて、本当にいい内容の本です。そうそう、山地社長の座右の銘は『右手にソロバン、左手にロマン』『変化こそ常道』だそうです。ぜひ本書から、生きた組織のつくり方を学んでください(@^^)/~~~

経営コンサルタント石原明 公式サイト 石原明.com
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