フォトアルバム進化系!? キャノンの新サービス
2010.08.27 08:55 written by ishihara カテゴリ:発想転換のツボ|経営のヒント
今やデジカメは一家に一台から"一人一台"時代に突入しつつありますが、こんな時代に世の中が求めているのは、撮り溜めたデジタルデータの「出口」のようです。デジタルフォトフレームや写真を共有できるアルバムサイト、また自分だけの「写真集」が手軽に作れるフォトブックサービスなどは、いずれも人気を呼んでいます。
そんななか、キャノンが先月(2010年7月)から、ネット上で手軽にフォトアルバムを作ることができる『PHOTOPRESSO(フォトプレッソ)』という新サービスを立ち上げました。撮影した画像を好きなレイアウトや装丁でデザインでき、アルバムとしてネット上に公開したり、印刷物として注文もできるサービスです。
はっきり言って、こうしたサービス自体は特に目新しいわけではありませんが、随所に独自の工夫が見られ、「進化系」のサービスと呼ぶに値しているのです。まず、制作物のグレードが他と違います。『PHOTOPRESSO』では、ジャケットや帯まで付いた、一般の出版物のような写真集が作れるのです。印刷は1冊あたり40ページ、1700円からとなりますが、プレゼントなどにも最適ですよね。
さらには、本のページをめくるような感覚で閲覧可能なビューアーも用意されています。これまでのアルバムサイトでは、せいぜいスライドショー止まりでしたが、「iPad」などが普及しつつあり、ユーザーの求めるものも、多様化してきたのでしょう。ちなみに、「iPad」は書籍はともかく「写真集」を見るには最適な端末だと思います。写真に合うBGMを付けたりすれば、さらに楽しめますしね(*^^)v
それはともかく、キャノンはこのサービスを当面、自社のデジカメやビデオカメラなどのユーザー限定で提供するそうです。デジカメにこのサービスを付加することで、他社との差別化を図る作戦でしょう。これからのデジカメは、機能やデザインだけでなく「撮影した写真を楽しく使えるサービス」で選ぶ時代になってくるかもしれませんね。
もちろん、このサービス自体でも収益を上げることを考えていて、来年(2011年)からはキャノン以外のユーザーにもオープンにするほか、海外展開も考えているみたいですが、いずれにしても「商品」と「サービス」を個別に考える時代は終焉に近いということです。
自社の商品を買ってくれたお客さんに、いかなるサービスが提供できるか、もしくは自社のサービスを受けてくれているお客さんにもっと提供できる商品はないか・・・思考の垣根を外し、アレコレ楽しみながら考えてみてください(@^^)/~~~