ブログ「石原明の経営のヒント」

年賀状のちから 年賀状にまつわる65のストーリー

早いもので、今年も「年賀状」の準備をする時期になりました。昨年の年賀状を手に取りながら、「そういえば、コイツどうしてるかな?」などと、思いを巡らせている方も多いと思いますが、今日は、年賀状にまつわる楽しい思い出、愉快な思い出などがいっぱい詰まった1冊をご紹介したいと思います。

当社の子会社であるCKパブリッシングから出版させていただきましたが、経営者の方には「本をマーケティングにどう活かすか」を学ぶための最強の事例として、ぜひ1冊お買い求めいただき、ご自分の眼で分析して欲しいと思います(*^^)v


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本書の編集を担当した「にっこう社」と言えば、私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の会員向け月刊誌「経営情報レポート」でも常連の優秀な会社ですが、世の中に印刷会社は数々あれど、「挨拶状」だけに特化した「挨拶状ドットコム」というビジネスモデルで、他社の追随を許さない事業展開をしています。

徳丸社長は、元銀行マンだったのですが、親に呼び戻され、印刷会社を継ぐことになった人物です。実家に戻って一番初めに着手した仕事が、所有資産の整理だったという話も聞いたことがあります(ーー;)

しかし、そこからがエラくて、まずは元の職場である銀行に営業に行って、挨拶状の注文を取るところから自分のビジネスをスタートさせました。そもそも銀行は人事異動も多いですから、転任や転居の挨拶状の需要がとても高かったんです。加えて「挨拶状」だけに特化したビジネスを誰もやろうとは思いませんから、この分野のライバルはあまりいなかったと思います。

ところが、ひとつのビジネスを「深堀り」していくと、やがて大きなマーケットができるんです。徳丸社長の賢かったところは、一度使ってくれたお客さまは絶対逃がさない「顧客化戦略」をちゃんとわかっていたことです。お客さまそれぞれにネット上の「マイページ」をつくり、そこで住所録などを一元管理できるようにしたのです!(^^)!

そうなると、一度でも、転居案内などでこの会社を使った人は、年賀状でも使う、翌年もまた使う・・・と、「しくみ」として、すっかり顧客化されていくのです。さらにその先のプランもすばらしく、サイトから収益が上がり始めたら、その利益をすべて「投資」に回していきました。

言うなれば、このビジネスモデルは、誰にでも簡単にマネできることを十分わかっていたのです。ですから、他社との差別化を徹底的に図るため、クリエーターを上手に使って、挨拶状のデザインと文例をどんどん増やしたり、システムに投資したりしていきました。その結果、毎年3割増しで売上げを伸ばし続けることに成功しています(@_@;)

考え方としては、あのアマゾンと一緒ですよね。かつて、アマゾンの投資家たちは、「君たちは25年間利益を出さなくていいからね。その分システムに投資しなさい」と言ったそうですが、こういう発想をするのが、本当の賢さです。ビジネスが中途半端なうちに回収しようと思うから、みんなコケちゃうんですよね。

・・・ちょっと過激になってしまいましたが(笑)、それはともかく、この本はまさに「一粒で何度も美味しい」マーケティング思考満載の仕上がりになっています。かといって、"企画モノ"にありがちな軽い内容ではなく、読者の心をわしづかみにするような素晴らしい内容にもなっているんです(*^_^*)

その上、宣伝広告効果だけでなく、顧客サービスや顧客フォローとしても使えますし、自社のブランド力の強化、さらにはスタッフのモチベーションUPの材料にもなるわけです。もちろん、ベースには「メールに押されて薄れ行く年賀状文化の普及活動に貢献する」という使命もあるわけで、近畿地方を中心に、郵便局の窓口での販売も決定しました\(^o^)/

ですから、本の内容とともに、背景にある経営的思考を学ぶための「課題本」として、ぜひお手元に置いてください。「なーるほど、こういう本をつくればいいんだ」と、きっと参考になると思います。しかし、その前にチェックすべきは、自社にどのくらいコアなファンがいるかってことですが、来年の顧客化戦略を練る上でも、この本は十分な刺激を与えてくれると思いますよ。参考にしてください(@^^)/~~~

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