同窓会で「制服リカちゃん」を販売(@_@;)!
2011.01.19 09:13 written by ishihara カテゴリ:おもしろ企業・商品|発想転換のツボ
以前、経営者会報ブログで「リカちゃん電報」の話題を取上げたことがありましたが、タカラトミーのロングセラー商品である「リカちゃん」人形が、"同窓会マーケット"に進出しているのをご存じでしょうか? 思い出の制服をリカちゃんに着せ、同窓会で販売するという戦略です。
少子化が進むなか、玩具メーカー各社は「大人」マーケットを開拓することに懸命ですが、"同窓会"に目をつけたとはなかなかのセンスだなと思っていたら・・・どうやら企画を持ちかけたのは、同窓会の名簿管理などを請負っている兵庫県姫路市の「サラト」という会社のようです。
栃木女子高校では、昨年(2010年)11月から、同校の制服を着たリカちゃん人形の購入受付を始めたそうです。制服の胸元には校章まで付けられ、冬服と夏服の着せ替えができるよう両方がセットされて1体が送料込みで6,980円。決して安くはありませんし、卒業生と在校生、教職員のみが販売対象なのにもかかわらず、受付開始から2週間ほどで、約2100体の申込があったそうですよ。
同校では今年(2011年)で創立110周年を迎えるにあたり、記念の品をつくりたいと話し合う中で、リカちゃん人形が候補に挙がったようですが、「サラト」は2005年頃からタカラトミーに相談を持ちかけていて、これまでに約15校の「制服リカちゃん」を手がけた実績があるようです。制服が変わるのを機に、古い制服を記念に残しておきたいといった要望もあるみたいですね。
それはともかく、昨年放送されたドラマをきっかけに、今、"同窓会マーケット"がかなり熱いですから、リカちゃんに限らず、そこに自社商品を提案するという発想は、多いにヒントになると思います。「サラト」のように、同窓会の幹事代行を手がける会社も、それなりに売上げを伸ばしていると聞きます。
これからの時代、ビジネスの成否を分けるのは「今ある名簿をどう活かすか」に尽きます。新規開拓に頼ったビジネスはかなりしんどくなりますから、自社の持つデータベースを"資産"として再認識し、そこに何らかの商品やサービスを提供していく・・・という視点に立ったとき、「同窓会名簿」というデータベースには、かなりの資産価値があるように思えませんか? 「同窓会」とは、そのデータベースを定期的にメンテナンスする役割をも担っているわけです。
現に、「同窓会グッズ」を扱う企業も増えつつあるようで、山梨英和中学校・高校同窓会では、校章を入れた地元の伝統工芸「甲州印伝」の印鑑ケースやキーホルダーを、福岡女子高同窓会では、校章のモチーフをあしらった一筆箋やオリジナルのお菓子(あめやせんべい)を販売し、卒業生から喜ばれているようです(*^^)v
あなたなら、"同窓会マーケット"に対し、どんな商品やサービスを提案するでしょうか? また、自社の持つ「名簿」の価値は、どのくらいあると感じていますか? そのデータベースの資産価値を加味したビジネスモデルやマーケティングロジックがきちんと機能しているでしょうか? 年頭にあたり、この事例を参考にしつつ、ぜひ冷静な目でチェックしてみてください(@^^)/~~~