高田社長不在でも経営安泰!?ジャパネットたかたの快進撃
2011.01.27 10:53 written by ishihara カテゴリ:おもしろ企業・商品|経営のヒント
何を隠そう、私は結構"テレビっ子"なので(笑)、仕事が終わった深夜に何気なくテレビをつけたりするんですが、今どきの深夜のテレビに欠かせないのが「テレビショッピング」ですよね。とりわけ景気の悪い時代には、「これって、番組制作費の節約じゃないの?」と裏を読みたくなるほど、どこのチャンネルでも通販番組を放送していたりします。
そんな「テレビショッピング」の草分け的存在が、みなさんご存じの「ジャパネットたかた」です。本社は長崎県佐世保市にありますが、今のようにインターネットが普及するずっと前から、同社は自社スタジオを持ち、"自社をメディア化"してきたわけです。タレントに頼らず、社長自ら広告塔になるという戦略は、当時新しかったですよね(*^_^*)
しかし、私は密かに心配していることがありました。高田社長の才能は、類まれなるモノだと感じていたからです。「この会社、この人がいなくなっちゃったらどうなるんだろう」・・・大きなお世話ではありますが、そんな目でこの会社を見ていたわけです。
ところが先日の報道で、そんな私の心配をよそに、高田社長は近年、段階的にメディア出演を控えているというのに、同社の業績は右肩上がり。なんと!この10年で、売上げは約4倍になったというのです(@_@;) ちなみに、2009年度の売上げは1,491億円、経常利益は約100億円に達し、続く2010年の売上げは、1,700億円を突破する勢いだとか・・・。
これってどうしてだと思います? もちろん、新聞折込チラシ、テレビ、インターネットといったメディアをミックスさせてシナジー効果を生み続ける巧みなマーケティング戦略や、「手数料はジャパネット持ち!」という作戦が、景気の悪い時代にはとりわけ功を奏している、といった面もあると思いますが、一番の勝因は「社長の分身を育てたこと」にあると、私は見ています。
今、同社のMC陣が、着々と成長しているのをご存じですか? 音声だけを聞いていると、まるで高田社長本人がしゃべっているかのような中島さんや塚本さんをはじめ、最近では女性のMCさんも人気が出始めているようです。どんな秘密の特訓があるのかは知りませんが(笑)、後進のMCさんたちは、きっと高田社長の映像や音声を死ぬほど繰り返し見たり聞いたりして、その技を習得しているんじゃないかと思います(*^^)v
今年の年頭から私は、「これからの経営者は"暇"じゃないと勝てませんよ」とよく言っているんですが、これからの時代、社長が常に現場にいるような会社に将来はない!と本気で思っているんです。経営者の大事な仕事は、「明日の売上げをつくること」ではなく、「会社の未来をつくること」ですから、心と時間のゆとりを持っている経営者でないと、ただ忙しいだけでまた一年が終わってしまいますよ(>_<)
そんな意味からも、現場を後進に譲った高田社長が、次にどんな手を打ってくるのか、なんだかとっても興味があります。同社の今後の動きに、しばし注目するとともに、もしあなたが経営者だったら、ただちにご自分の24時間を見直してみてください。会社の未来のために、どのくらいの時間を使っていますか? まだ、2011年は始まったばかり。「現在(いま)」が未来をつくっていることを、今一度肝に銘じてください(@^^)/~~~