東大卒でも赤字社員 中卒でも黒字社員ー会社が捨てるのは、利益を出せない人ー
2011.02.11 13:03 written by ishihara カテゴリ:おすすめ本の紹介
今回は、ちょっとシビアな本をご紹介します(ーー;) ただし、キャッチーなタイトルのわりには、中身はいたってまじめな本なのでご安心ください。
ひと昔前、それこそバブル全盛期には、会社の詳しい業績は「スタッフには教えない」のが原則でした。つまり経営の数字はクローズの世界にあるもので、「会社の心配は経営陣に任せて、あなたたちは一生懸命目の前の仕事に取り組んでください」とばかり、大量の作業者を採用して、バンバン売上げを上げていった時代です。
しかし、時代は大きく変化を遂げ、今や「経営のディスクローズ」が主流の時代です。今、勝っている会社のほとんどは、スタッフに対して丁寧に会計知識を教えていますし、中には毎月の試算表を公開する会社もあるほどです。
本書は、そうした「ディスクローズ型経営」のために、とっても役立つ一冊なのです。多くの経営者の頭の中にある「経営の数字とスタッフのやる気をリンクさせるにはどうすべきか」という「?」に対するヒントが満載です。
日本経済がこれだけ縮小傾向にあっても、日本の会社に勤めている人たちのほとんどは、意外なほどに平和に暮らしています。本来ならば相当の危機感を感じて、一人一人が最大限の力を発揮していかなくてはならない場面でしょう。そうしなければ、日本の労働人口はそっくりアジアに取って変わられる・・・なんて日が来ないとも限らないのです(>_<)
今は、それに気づいているごく一部の人が必死にがんばっている、といった構図ですが、かと言って「この本読んでみたら!」などと、部下にうっかり渡してしまうと大変なことになるかもしれませんから、注意してくださいね。それこそ、「パワハラ」や「いじめ」として受け取られる可能性も、考えておかねばなりません(ーー;)
できれば、社員さんが自ら進んでこの本を読み、「自分は給料の何倍稼いでいるだろうか」なんて考え始めてくれればいいのですが、きっとそんな人は100人に1人か2人だと思いますし、得てしてその人たちは、この本を読む必要がなかったりするものです(笑)。
それはともかく、本書の著者は、公認会計士であり大学の非常勤講師も務める方ですが、30歳の時にリフォーム会社に入社し、「従業員1人当たりの会計データ」を導入して、従業員の生産性向上に尽力された実績の持ち主です。だからこそ、すぐに使える実践的な内容になっているのです。
決して学問的な会計の視点から書かれた本ではないので、現場ですぐに役立つ内容になっている、というわけですね。ぜひあなたも手にとって、その内容を確かめてみてください(@^^)/~~~