節電より移転!? 「夏のオフィスは北海道へ」計画
2011.04.30 13:03 written by ishihara カテゴリ:発想転換のツボ|経営のヒント
今年もG.Wに突入しましたが、これから夏場に向け、電力供給不足が懸念されます。あれこれと知恵を絞って、節電対策を練る企業も多いことでしょう。そんな中、北海道倶知安町の倶知安観光協会では、『ニセコリゾートオフィスプロジェクト』として、リゾートマンション(コンドミニアム)や別荘を、企業のオフィス用に貸し出す計画を進めているそうです。「クーラーいらずで停電知らず。夏のオフィスは涼しい北海道へどうぞ」と呼びかけているのです(@_@;)
国際的なリゾート地である比羅夫地区は、ニセコでスキーを楽しむオーストラリア人や中国人所有のリゾートマンションや別荘が多くある地域です。もともと夏の間は、安価で避暑用に貸し出すケースもあり、敷金・礼金がいらずに利用できることから、リタイアした団塊世代たちが長期滞在する例もあったようですが、それをオフィス向けに貸し出そうという試みなのです。
リゾートマンションといっても、光ファイバーケーブルを備え、ネット環境はバッチリ!机やイス、コピー機などの事務機器や車が必要な場合は、同協会がレンタル業者をあっせんするそうです。倶知安町の夏の平均気温は、7月で24.1度、8月でも25.2度と都内より5度以上低く、クーラーなしでも過ごせるそうですよ。
ただ、新千歳空港からも、札幌からも、それぞれ約2時間ほどかかるので、営業部門などには不向きだと思いますが、企画、デザイン、プログラム開発などIT関連の部門には適した環境ではないでしょうか? 停電を心配しながら蒸し暑い都内で仕事するより、思い切って夏場だけ移転するのもアリかもしれません。
そういえば、震災以後、IT関連企業などが本社機能を大阪や福岡に移し始めているのをご存じでしょうか? これまで首都圏の企業は、地方都市に移転するなどという選択肢は"想定外"だったと思いますが、電力の問題などもありよくよく調べてみたら、びっくりするほど安い値段でオフィスを借りられることがわかり、決断した企業も多いようなのです。
固定費がグッと下がれば、いきなり企業の利益体質も良くなります(*^^)v "想定外"の大震災に直面して、"想定外"の利益を上げる企業が出てくるかもしれませんよ。
また、「季節ごとにオフィスを変える」なんて発想を持っている会社は、そもそもなかったと思いますが、今はパソコンさえあればどこでも仕事ができる業種も増えていますから、これまでなかった働き方が次々と生まれてくる可能性もありますよね。
目の前には、数々の問題が立ちふさがっていても、経営者は常に既成概念の枠を外し、自由に発想を拡げてみることが大切です。「夏のオフィスは北海道へ」計画・・・誰か試してみる人はいないでしょうか(@^^)/~~~