ブログ「石原明の経営のヒント」

小さな会社のブランド戦略

この本は2008年のクリスマス・イブに出版された本ですが、じつはこれからの時代にこそ役に立つ本ではないかと思い、今回ご紹介することにしました(*^^)v 

最近いつもお話しますが、日本のマーケットが縮小に向かうこれからの時代は、企業の目標が単なる売上げや利益の拡大ではなく「自社の存在価値そのもの」にシフトする・・・というか、そういう思考の会社しか生き残れなくなると思っています。ですから、本書の副題でもある『「生き方」と「働き方」が一致するビジネスモデル』が主流の時代になるはずです。


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ブランディングなどと言うと、一瞬「CI」などデザインの世界をイメージされる方も少なくないと思いますが、本書の定義するブランド力のある会社とは『あなたのビジネスに関わるすべての人がファンになるような、研ぎ澄まされた経営をしている会社』という意味です。

関わる人とは、お客さんはもちろん、社員を含めたスタッフ、取引先、業務提携先、広告代理店やウェブ制作会社などまでを含めた意味で、その会社となんらかのご縁があって関わった人全員がファンになってしまう会社ということです。

そういう会社には「エネルギー」がありますから、人をひきつける力(=引力)が発生するのだという"ものごとの本質"を、2~3時間で読めるようにさらっとまとめ上げたという意味でも、価値ある一冊だと思います。

本書のタイトルは「小さな会社の」となっていますが、私は大企業でも全く同じだと思っていて、企業規模の大小に関わらず「存在価値」に光るものがないとダメなんです。

最初は儲けることを目指して始めたビジネスモデルも、そこに関わる人たちによって「ブランド」になるまで磨き上げられた結果、『経営理念』として昇華していきます。

「経営者はまず第一に経営理念を作るべき」というセオリーがありますが、私は「理念ありき」で作られた会社より、実際にお客さんに提供している価値が磨かれて理念になっていったような会社こそが本物だと思っています。

とくに本書の後半は、「ブランドづくりのマニュアル」のようになっているので、そのまま自社にあてはめて考えることができると思います。昔読んだことのある方も、ぜひもう一度本棚から引っ張り出し、復習しつつも「自社が次世代に残っていける価値を有しているか」を冷静にチェックしてみてください(@^^)/~~~

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