ブログ「石原明の経営のヒント」

いよいよアマゾンが電子書籍へ本格参入!?

アマゾンの本格参入で、日本の電子書籍事情が一気に変わりそうな様相です。欧米の電子書籍旋風の仕掛け人である米アマゾン・ドット・コムは、日本の大手出版各社と、価格設定等条件交渉の段階に入っているようで、すでに合意したPHP研究所は、約1,000点の書籍を電子化して提供する予定だそうです。

アマゾンの強みは、なんと言っても世界最強の販売力を持つ自社サイトと、「キンドル」という電子書籍端末の両方を持っていることです。アマゾンが製造・販売する「キンドル」は2007年に米国で発売され、最新機種である第4世代機では、ついに79ドル(約6000円)という低価格を実現した模様です。


s-amazon.jpg


米アマゾンは100万点以上の電子書籍をそろえ、すでにキンドル向けの販売冊数が紙の本を上回る"逆転現象"が起こっているようですが、日本の電子書籍の市場規模は、2010年度の数字で約650億円程度。書籍・雑誌の市場規模約2兆円から見ると、まだほんのわずかな数字です。

もちろん日本でも、電子書籍については数年前から話題に上っており、あのiPadが日本で発売されたときにも「いよいよか!」と噂されましたが、日本の書籍流通には独特のルールが確立されていること、また電子化の規格が乱立し、端末ごとの互換性がないことなどが普及の足かせとなってきました。

しかしここに来て、電子書籍の世界規格が統一されのです。欧米で電子書籍の事実上の世界規格となっている「EPUB(イーパブ)」の最新版が、縦書きの日本語に対応することになり、日本で「キンドル」が発売される際には、日本語を表示するためのフォントが内蔵されるのだとか(@_@;)

この事実に後押しされるかのように、米アマゾンは、値崩れを心配する日本の出版社に対し、電子書籍発売時の価格設定や値下げのタイミングについては両者が事前に協議するしくみを持つことを提案し、粘り強く交渉を進めたようです。その結果、年内にも日本語の電子書籍購入サイトを開設し、スマートフォンなどへの配信を始めるほか、「キンドル」の販売も開始する予定だと言います。

これは「いよいよか!」って感じがしますよね。とりわけ、アマゾンは本好きの人にとって"使い慣れたサイト"になっているはずですから、やはり電子書籍もここで買うのが一番、となる可能性が高いですよね。ネットビジネスの強さは、そのサイトがどれだけ多くの人たちにとって「スタンダード」になっているかで決まるのです。

そういえば、最近の小学生に調べ学習をさせると、Yahoo!やGoogleでなく、いきなりYouTubeを立ち上げて検索を始めるそうですよ。

いやいや、子どもたちだけではありません。私の顧問先が「ある機械」を探していたのですが、どうやってネット検索してもヒットしなかったところ、もしやと思ってYouTubeで検索したら、ドンピシャな機械の映像がアップされており、そこから辿って無事にお目当ての機械をゲットした、というちょっとした事件がありました。

今やありとあらゆる情報が集まるYouTubeが検索ポータルになっているように、多くの出版社がアマゾンと合意し、アマゾンが電子書籍ポータルになる日も近いのでしょうか・・・私は、今後あらゆる業種で「一人勝ち現象」が起こっていくと予測しているのですが、電子書籍界にもそんな気配を感じます。この年末から年始にかけて、電子書籍戦争の行方を注意深く見守っていきましょう(@^^)/~~~

経営コンサルタント石原明 公式サイト 石原明.com
経営次進塾
キクタス