自分で調理!? "体験"を売る「ルクエ カフェ」
2012.03.12 20:48 written by ishihara カテゴリ:トレンドウォッチ|経営のヒント
先月(2012年2月)、東京・渋谷に「ルクエ カフェ」がオープンしたのをご存じでしょうか? 「ルクエ」は1980年にスペインで創業したラバー製品のメーカーですが、カラフルな色合いのシリコン製のスチームケースは、世界で380万個、日本でも130万個以上を売上げる人気商品です。
同社の国内総代理店であるコラムジャパンと「ダブルトールカフェ」を運営するエス・エス・アンド・ダブリューが、「新しい食文化を紹介するという両社の共通する思いがあった」として、ダブルトール渋谷店の2階につくったのが話題の「ルクエ カフェ」ですが、ここは"世界発・体験型メニュー"を提供するちょっとユニークなカフェです。
ランチタイムのメインメニューはカレーとパスタ。たとえばパスタを注文すると、2種類から好みのパスタが選べ、そのパスタが入ったスチームケースを渡されます。野菜などの具材はフードバースタイルになっていて、そこで好きな具材とソースを選んでケースに入れると、いざ電子レンジコーナーへ!何がユニークかって、ココはお客さんが自分で"チン"するカフェなのです(@_@;)
セルフサービスでのサラダ、スープ、ドリンク付きで980円だそうですが、お店では既存のルクエ製品はもとより、限定品やセール品が買えたり、レシピ本なども販売しています。今後はルクエ製品をつかったお料理教室なども展開していく予定だといいますから、ルクエ製品の「情報発信の拠点」ともなっていきそうですね。
しかし注目すべきは、「ルクエ カフェ」のメイン商品は"ルクエを使う体験"である、という点です。少し前に「セルフサロン」の話題を経営者会報ブログに書いたのですが、今や自社の商品やサービスを『お客さんにどう楽しく体験してもらえるか』が企業に問われる時代なのです。
ひと昔前なら、こうした調理器具は、百貨店での実演販売などでバンバン売れたと思いますが、これからの時代、『体験』に勝る戦略はないでしょう。楽しい体験や新しい体験をするからこそ、ブログに書こうと思ったり、SNSサイトを使って友達に教えようと思ったりするのです。
現に同社も「Facebookページ」をしっかり準備しています。『体験×SNS』・・・これは従来の販促の発想とは"真逆"に位置する存在であることを十分理解してほしいところです。商品の価値を企業が一方的に決めていた時代は、とうに終焉を迎えています。この事例を参考に、自社製品の体験をどう売るか、そのために組むべきパートナーはどこか・・・あれこれ発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~