ブログ「石原明の経営のヒント」

「もえタマ」が一人歩き!? 大洋製器工業のキャラクターに注目

大洋製器工業株式会社は、シャックル・フックなどの吊り具、陸上・海上コンテナの固縛金物の老舗総合メーカーです。本社は大阪にあり、縁あって私もお世話しているのですが、この会社がちょっとおもしろい取り組みをしているので、ご紹介したいと思います(*^_^*)

同社は「玉掛け」と呼ばれる吊り具のエキスパートですが、こうした特殊な技術はなかなか一般に認知されにくいものです。もちろん、顧客はそれぞれの業界のプロなので、一般市民が知らなかろうとビジネスに関して言えば大きな障害にはならないのですが、唯一困るのが「採用」に関してでした。企業の知名度と応募者数は、確実に比例しているからです。


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近年、少子化の影響か、就職活動にまで親が口を出すと言います。とりわけ「親が知らない企業への就職には難色を示す」傾向が強いそうで、大学の就職課は「大企業より将来性の高い中小企業もたくさんあるんです!」とばかり、親御さんの教育も行っているようですが、この傾向は意外に根深い問題で、中には親世代の認知を高めるためだけにテレビCMを打つ会社もあると聞きます(ーー;)

そんな中、大洋製器工業は「ネットを使って自社の認知度を上げられないか」という挑戦を始めたのです。『もえろ!タマカケ魂』という、玉掛け作業に関わる人たちの情報コミュニティサイトを立ち上げ、「安在 玉姫(あんざいたまき)」ちゃんと「シャックル犬のオーティー」というかわいらしいキャラクターをつくり、4コマ漫画を配信したり、壁紙ダウンロードをできるようにしたりと、随所に工夫を凝らしています。

また「You!吊っちゃいなよ」というブログを配信したり、Facebookページをつくったり・・・Webでできることは何でもやろうという意欲的な取り組みをしているのです。今の時代、ありがたいことに「やる気」さえあればたいした投資をしなくとも、自社の認知度を上げるために使えるツールはたくさんあります。

一度ネットで話題になれば、その情報はあっという間に拡散していきます。とりわけ「おもしろい」「かわいい」という情報は、強力な伝播力を持っているもの。イケてるキャラクターなどは、会社名に関係なく「一人歩き」を始めます。しかしながら、新しいツールを使うから成功するのではなく、要は「コンテンツの質」が成否を決めることを忘れないでください。

長い間その業界にいると「当たり前」になってしまいますが、どこの会社にも一般人には興味深いコンテンツがたくさん眠っているものです。それをどう見せていくかが、腕の見せ所です。そのために、社内に情報発信のチームをつくるなどの「しくみづくり」も重要になってくるでしょう。これも経営者の大事な仕事です。

大洋製器工業の成果については、いずれまたどこかのタイミングでご紹介したいと思いますが、この事例を参考に、自社にも今すぐできることはないか・・・「やわらか頭」で発想を拡げてみてください(@^^)/~~~

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