ブログ「石原明の経営のヒント」

最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作選<1>

今回は異色の1冊をご紹介します(*^_^*) 私が敬愛する筒井康隆氏の作品集なのですが、なにせ傑作集ですから、その濃いエッセンスがたっぷり詰まっています。ちなみに「ドタバタ」とは、「手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のこと」と、筒井氏自ら定義しているくらいですから、電車の中など、決して人前では読まないことをおすすめします(笑)。


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私は若い頃から筒井氏の小説を読んでいますが、巧みな表現力はもとより、その奇想天外な発想力や社会風刺の力量に、何度「天才!!!」と叫んだかわかりません。その後、漫画のワンピースを初めて読んだ時も、「これって筒井ワールドだ!」と思ってしまったほど。とにかく、ストーリー展開やキャラクターのユニークさに、読者はくぎづけにされてしまうのです。

情報化社会が進み、最近「どうやったらお客さんの心をつかむような文章が書けるのでしょうか?」といった質問を多く受けますが、そんな時私は「ビジネス書だけでなく、ぜひ小説を読んでください」とお答えしています。なぜなら、ビジネス書に使われている単語は圧倒的に少ないので、それだけしか読んでいないと「語彙力」が育たないからです。

加えて、「お客さんの心をつかむ文章」とは、ひとことで言うなら「相手の感情を動かす」ということです。その勘所を養うためには、小説に数多く触れてもらうといいと思います。中でも「笑わせる小説」は最強です。じつは、人を泣かせるより笑わせるほうが数倍技術がいりますから、そういった意味でも、この傑作集をおすすめしているわけですね。

文章でもデザインでも、何かクリエイティブな才能を養おうと思ったら、「インプットの量=アウトプットの量」という等式を忘れないでください(*^^)v ビジネス界の住人は、得てして「効率」ばかりを追い求め、すぐに役立つノウハウを求めてビジネス書を買うのでしょうが、小説の世界にどっぷり浸かるといった「非効率」から、「価値」がクリエイトされる感覚をつかんでみてください。

私はこうした素晴らしい作品と出会えたことから、「文章で人が動かせる」のだと気づいたようなところがあります。もしかしたら、ここに『石原式4ステップマーケティング」の原点があるのかもしれませんね(笑)。無限の発想力や文章表現力を身につけたい方は、ぜひ読んでみてください(@^^)/~~~

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