ブログ「石原明の経営のヒント」

地産地消の母 アリス・ウォータースの『アート オブ シンプルフード』

今回ご紹介するのは、いつものようなビジネス書ではありません。「なぜ石原先生がレシピ本を?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、著者であるアリス・ウォータースさんは、アメリカで40年以上前から地産地消を提唱してきた方で、「アメリカの食の良心」「地産地消の母」と評される女性。

以前、彼女が荒れた学校から相談を受け、それをみごとに解決したという話を聴いたことがあるのですが、そのエピソードから「彼女は本物だ!」と確信し、日本でも広く彼女の活動を知ってほしいという思いから、こうしてご紹介しているわけです。


The Art of Simple Food.jpg


さて、先ほどの話ですが、彼女はどうやって荒れ果てた学校を救ったと思いますか? 彼女の答えは「だったら菜園をつくりましょう!」というシンプルなものでした。生徒も先生も土に触れ、生命の宿った野菜に触れ、その野菜を使ったエネルギー溢れる食事を摂っているうちに、学校に起こっていた問題は、ほぼ解決してしまったのだそうです(@_@。

そんな彼女の活動を評価したオバマ大統領に招かれ、ホワイトハウス内にオーガニック菜園を作ったり、地域で農業による新しいコミュニティをつくったりと、アリス・ウォータースさんの意欲的な活動が、「美味しい革命」と呼ばれているのもうなづけます。

"オーガニック"というのは、単に有機無農薬で育てられた食材という意味ではなく、もちろん一時のブームでもなく、それは「よい食事をすることで、持てる生命力を輝かせ、しっかり生きよう」という哲学に他ならないからです。彼女自身も「それはアメリカだけに留まらず、世界に通用するユニバーサルな考え方だ」と定義しています。

そんなアリスさんの活動の原点が、アメリカで最も予約の取れないレストランとして有名な「シェ・パニース」です。(※このサイトをクリックすると音楽が流れますのでご注意を(^^ゞ)

「シェ・パニース」は、1971年カリフォルニア州バークレーに開店した世界初のオーガニック・レストランですが、当初からずっと40年以上、その日に手に入る地元でとれた新鮮な食材で最高の料理を作ることを目標としているので、毎日のメニューは1種類だけ。そのレシピや彼女のエッセイが448ページにずっしり詰まったのが、この本というわけです。

アメリカでの原書は約30万部読まれているそうですが、そのオリジナルと同じ質感、同じ重さ、同じテーストにこだわって忠実に日本版として再現したのが、小学館で「美味サライ」などを手がける天才編集者・尾崎靖氏です。ちなみに彼には、当社の松本が理事長を務める一般社団法人「グッドフードジャパン」の顧問の職に、私と共についてもらっています。

そんなご縁もあって、私もアリス・ウォータースさんを応援しているわけですが、世界的に有名な美術館にレストランをつくりませんか?という誰もが飛びつきそうなオファーにも、「コンセプトに合わないので」という理由で断ったという話を聴いて、ますます彼女に注目してしまいました(*^_^*)

もしかしたらこの本が、荒れた学校を救ったように、あなたの家庭、もしくは会社を劇的に変えてくれるかもしれませんよ(笑)。

まさに「ほんとうに豊かに暮らすためのオーガニック料理バイブル」の決定版です。ネットだと本の大きさや重さが伝わらないのが残念ですが、一家に一冊"保存版"として置いてほしいような価値ある本です。機会があったら、書店で実際にお手に取り、その"重さ"をお確かめください(@^^)/~~~

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