リブセンス -生きる意味ー
2012.10.31 10:23 written by ishihara カテゴリ:おすすめ本の紹介
今回ご紹介するのは、"最年少上場"を果たした人物として、メディアからも異例の注目をされているリブセンスの村上太一社長に、『プロ論。』など、そのインタビューの力量でも評価の高いフリーライターの上阪徹氏が、丹念なインタビューを重ねて書き上げた一冊です。
じつは先日、この村上氏とお会いする機会に恵まれました(*^_^*) 私の著作のプロモーションのために新しく立ち上げた「人称.jp」の企画で、1時間に渡る対談をさせていただいたのですが、そもそも彼を記念すべき初回のゲストに選んだのは、「若いのに、ものすごく人称の高い人物がいる」という噂を聞きつけてのことでした。
私が言うところの「1人称」とは、自分(中心の)考え方で物事を判断しているという思考状態、つまり「自己チュー」のこと。対して「8人称」は、まさに神の領域(=悟りに近い思考)で、広さと高さと深さを持った思考ということになります。すべての人がここに行けるとは思えませんが、仮にもリーダーと呼ばれる立場になったら、せめて「3人称」視点(=まわりを見渡せる目線)を持つべきだと、私は前著の中で提案したわけです。
ところが、村上氏の場合、26歳にしてすでに「6人称(=業界のリーダー)」か「7人称(=業界、日本を代表するリーダー)」の高さを持っているように感じます。これは、リブセンスの経営理念からもよくわかるのですが、『幸せから生まれる幸せ』・・・つまり、多くの人を幸せにすることで自分たちも幸せになろう、というもの。この若さにして"自分勝手"なところがひとつもありませんよね(@_@。
同社はアルバイトの求人サイト『ジョブセンス』からスタートし、「掲載料無料(アルバイトを採用できて初めて料金が発生します)」「採用された人にはお祝い金を出す」という常識外れのアイデアで急成長を遂げた会社ですが、これはもともと早稲田のビジネスコンテストで優勝したモデルなんです。
在学中に大学施設の一角を間借りするカタチで起業し、そのまま5年で東証マザーズに上場しまった・・・これだけを聞くと「かなりデキるヤツ」というイメージを持ちますが、彼自身はいたって"ふつう"の青年で、その人なつっこい笑顔は、会った人すべてをファンにしてしまうほど。かつてのステレオタイプの成功者が持っていた、ギラギラしたオーラはまるでないんです。
スポーツ界で言うと体操の内村航平選手も近い雰囲気を持っていますが、彼らを見ていると「時代も進化したんだなぁ~」と、思わず感動すら覚えてしまいます(*^^)v
リブセンスのビジネスは、情報化社会が進化してから誕生しているので、まるでWeb上に「自動販売機」を設置したかのごとく、システム開発費さえ回収できれば、あとはどんどん儲かるしくみになっています。一方、従来の人材系ビジネスは、「雑誌」のモデルです。紙媒体を使うとかなりの制作費がかかりますし、代理店も人もたくさん使う「経費のかかるしくみ」の上で動いているので、とてもじゃないけど「掲載無料」にはできないわけですね(>_<)
村上社長が本気でビジネスをやろうと決めたのは、かつて「ドラクエ」にハマりにハマり、寝食を惜しむようにしてエンディングを迎えた時だったそうです。全てをクリアした後に残ったのは「なんだか虚しいなぁ」という実感だけだった・・・このことから「リアルを変えるほうがずっとおもしろいに違いない」と気づいたようです。
まさに"新時代"の経営者といった感じですが、彼らが私利私欲のためでなく、本当に世の中のことを思って奔走してくれれば、日本の未来もかなり明るい気がします。ちなみに、村上氏との対談の模様は、今後「人称.jp」や「ポッドキャスト」でお届けする予定です。楽しみにしていてくださ~い(@^^)/~~~